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アラン・パーソンズ・プロジェクトー〜プログレとポップの奇妙な関係
70年代末から80年代に入り、プログレは叩かれまくった。
パンクやニューウェーブからは古くさい大作指向のジャンル、業界からは売れ線向きでない難解なジャンル。
もっと一般的に売れるような音を出せ。
確かにミュージシャンも作品が売れなきゃ食っていけない。
それでも筆者はELPのこのジャケには,さすがのショックを受けた。
まるでウエストコーストのバンドみたいではないか?😭
ジェネシスやイエスほど割り切ってポップなサウンドに転化したわけでもない。
音はそれなりにプログレの曲もあるが、いかにも売れ線狙い。
やはりポップとプログレは水と油の関係なのか?
いやありました。
アラン・パーソンズ・プロジェクト
そうビートルズやピンクフロイドでエンジニアを務めたアラン・パーソンズとエリックウルフソンが結成したバンド。
第一弾の「怪奇と幻想の物語〜エドガー・アラン・ポーの世界」は同じ名前の幻想作家アラン・ポーの作品群を音楽化したものだ。
「アッシャー家の崩壊」はアルファロメロの「ゾンビ」にも影響を与えた古典的な怪奇作品。
この曲はドビュッシーが生前、舞台用に執筆して未完成だった曲を前奏曲として仕上げ、残りの部分をつなぎ合わせて屋敷が燃え尽きるまでを音楽化している。
16分余りの圧巻な音は組曲として圧巻である。
英国の作曲家、アンドリューパウエルがアドバイザーとして参加している影響は大だ。
なのでがちがちのプログレッシブロックと思いきやこのアルバムは全体的にはポップなのである。
というのもインストはこの曲ぐらいで他は効果音が入ってるにしても非常にポップな味付けで出来ているのである。
なのでコアなプログレファン以外にもすんなり受け入れられる。
テーマを持ったコンセプトアルバムとポップな曲とプログレッシブなインスト曲の組み合わせ、アランパーソンズプロジェクトは相棒のエリックウルフソンが亡くなるまでこの手法を取り続けた。
なかでも「ピラミッド」、「アイ・ロボット」、「アイ・イン・ザスカイ」「運命の切り札」は名盤だと思う。
○アイ・イン・ザスカイ
彼ら最大のヒットナンバー、いかにもブリティッシュロックの王道という感じだが‥
○組曲 運命の切り札
16分にも及ぶプログレの大作。オーケストラを導入し、英国独特の抒情的なロックを展開。
エリックウルフソン亡き後は単独で活動してるアランパーソンズだが、南米で人気が高く何度かツアーを行なっている。
同時にプログレとポップをやれるアーティストは筆者は他には思いつかない。
でも彼らは何故かプログレッシブロックとしては記録されてない。
やはりプログレではない奇妙な関係なのである。