会食恐怖症の大学生活④
あるとき、聞こえてきた別のグループの女の子たちの会話。どうやらそのグループ内の誰かの悪口を皆で言い合っているようだ。
「〇〇って、食べ放題行っても全然食べないよね~」
「小食ぶってるよね〜ぶりっこしてさ〜」
「食べ放題行く意味ねぇじゃん」
こんな話題で盛り上がっていた。
「少食ぶって」
食べないということは、他人からこう思われているのか。
もし、私が皆と仲良くなりたい一心で無理をして、苦しんで、決死の覚悟で食事の場に行ったとしても
食べられなかったら、こんなふうに皆を不快な気持にさせてしまうのか、不快に思われるのか。
食べることは本来、人間の楽しみである。
わかっていた。でも、これほどまでに「食べない」「食べられない」ことが理解されないなんて。
それって、もはや私が頑張る意味ないんじゃない?
会食恐怖症なんて普通の人間には理解されるはずもない。
苦しんで苦しんでその結果、何も知らない平凡な者たちの悪口の対象になるくらいなら、傷つくくらいなら友達なんか要らない。
自分の症状をカミングアウトしようなんて思いも全く起ない。思いつきもしなかった。
私はこのことをきっかけに完全に心を閉ざしたのだ。