人口とビジネスと(大阪102日目)
国土交通省が出している人口規模とサービス施設との関係性を表した表がある。
*初出はH26年なのでちょい古い
例えば、スターバックスコーヒー(上図右上)は、
・175,000人規模の自治体においては50%の確率で立地しており、
・275,000人規模だと、その立地率が80%になる、
というようなことを示している。
端的に言えば、人口規模の大きい自治体・地域では多様なサービスが提供できる一方で、人口規模の小さい自治体・地域では、そもそもサービス自体が成り立たないことがある、ということだ。
もちろん、例えばディズニーリゾートやUSJのように、立地している場所だけでなく、日本中あるいは世界中から人を集めてビジネスを成立させるケースもあるが、それが成り立つのは観光関連産業であって、一般的には人口規模とサービス提供の種類・量はおおよそ比例関係にあると思われる。
従来、当然のように享受できていたサービスが、人口減少によって真綿で首を絞めるように、じわじわと撤退していく可能性を示唆していて(例えば宮崎県内ではタクシーが24時間サービスではないエリアがある)、どのように日々の暮らしを守っていくのかが重要な局面になってきている。
さて。
ぼくの数少ない趣味の一つが映画鑑賞だ。デジタル化によって配信サービスが一気に広がり、住む場所に関係なく(つまり人口規模に関係なく)、旧作から最新作まで鑑賞できる社会・時代になったことは大変に喜ばしいことで、その恩恵を享受させてもらっている。
その一方で、これだけ配信サービスがあっても、やはり映画館だからこそ深い感動を得られる体験、というものもある。その最たるものが「大きなスクリーン」「大きな音」で鑑賞できることだと思う。超巨大スクリーンのIMAXシアター、バキバキに美しい画面が極まるDolby Cinemaはその最高峰だろう。
普及が遅々として進まないのは、追加料金の徴収が必要なほど設備経費が嵩むため、映画好きが一定数集まっているような大都市圏でしか成り立たない上映方式だからだなのだろう。映画に限らず、こういう”ちょっとした上位サービス”というのは、人口規模の影響を受けやすいのだと思う。
人口減少にあってもデジタル技術で代替できるサービスと、リアルだからこそ提供できるサービスの違いを考えながら、現状大都市で暮らす自分は、せっせとプレミアムな映画館に通うのである。