ワーケーションin神山 Day-3(大阪128日目)
神山3日目。
朝のランニングで、宿の裏山(大粟山)を走ってみる。この山には神山町の地方創生ストーリーに欠かせない「COCO歯科」や「神山ビール」などが点在しており、走っているだけで楽しい。
さらに森の中に分けっていくと、「創造の森」として、アーティストの作品もたくさん展示されているのだけど、今回は短パンだしな。次回のお楽しみにしておく。
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この町のことを知れば知るほど、数多くのトライ&エラーの積み重ねがあり、町が丸ごと「情熱大陸」な印象もある。プロジェクトの一つひとつに物語があって、たとえば「COCO歯科」には世界を放浪した手島恭子先生が、「神山ビール」にはアムステルダムから移住したマヌスさん・さやかさんがいて、新しい何かを生み出していっている。1人1人がとても魅力的な人たちなのだ(って書くと知り合いみたいだけど、神山関連本で勝手に知っているだけ)。
今回のワーケーションにはもう一つイベントが加わった(前日に決まった)。町のキーマンのひとりである隅田徹さんとお話しすることができたのだ。
隅田さんは、元々東京のど真ん中で、放送・デジタル系のベンチャー会社を起業されて成功されたのち、BPC(事業継続計画)のために、神山町にサテライトオフィスをつくっている。その後、東京に本社を置いたまま本人は神山に移住し、我々が泊まったホテル「WEEK神山」を創業したり、古民家ビジネスを始めたり・・・と八面六臂の活躍をされている。
で、たとえば総務省のこういう記事がある。
ご本人曰く「ああいう記事はね、インタビューで聞かれるから喋っているうちに後付けで出来上がっていくのよ。何か面白そうだなーとか、飲んだ席で盛り上がったとか、本当はもっと適当な話なんだからw」
謙遜もあるのだろうけど、たぶんプロジェクトのスタート自体はそういうノリみたいなものだったんだろう。わかる。でも、そこでぼくはこう尋ねた。
「他の地域を見ていると、スーパー公務員みたいな人が奮闘して、何かが起きても、その人がいなくなったらそこでぱったり終わってしまう。神山にはいろんなプレイヤーがいて、次々にいろんなことが起きている。そんな事例は他に知らない。点のような成功例があっても、そこから面には広がっていかない。何が違うんでしょう?」
「閾値があると思う。ロケットが勢いをつけて宇宙に行けるか、そこに届かず引力に引かれて地球に落ちてしまうかという閾値。ある閾値を越えると、集積が集積を呼んで、お金や人間のネットワークが広がっていく。そこまで落ちずに行けるかどうかが大事。」
閾値。
なんかとても腹落ちするワードだった。
イノベーター理論で言うところのキャズムを越えるかどうか。
それを単体の商品やサービスではなく、地域という場で起こすということ。
そのためには内部・外部含めて多くのプレイヤーが必要だし、そのプレイヤーたちが相互に刺激し合い、また外から運ばれてくる様々な異物(刺激)を受け止めるようなやわらかな風土・カルチャーが必要なんだろうと思う。この30年の歴史のどこかで(たぶん早い段階で)、神山町は閾値を越えたんだろう。
だからこそ、酔った席で
「お遍路さん向けの宿しかないから困るよなー」
「ホテルとかやれたらいいよねー」
「いいねー、よしやろう!」と盛り上がり、それが単なる戯言で終わらず、すぐに会社をつくる流れになり、町民から50人もの出資者が出て、経験値がないメンバーなのにホテル運営をやれてしまうというアンビリーバブルな地域になっていくのだろう。
時間ギリギリまで隅田さんとお話をし(お別れを言った後に「えんがわ」でさらに延長戦で語ったほど)、徳島行きのバスに飛び乗った。
そんなこんなで2泊3日のワーケーション終了(他のメンバーは3泊4日)。一足お先に帰ります。
最終日もめっちゃ面白かったなあ。しかも「いい話を聞いたな」と他人事な感想で終わるような内容ではなく、さっそく明日からの業務に反映したくなるようなものがいろいろあったと思う。ちょっと整理しなくちゃ。
改めて、今回企画してくれたキャンちゃん、いつも楽しい企画に巻き込んでくれて徳島に連れてってくれたふともも、雑に?隅田さんを押さえてくれたひろきさん、そして一緒に楽しい時間を共有してくれた参加メンバーの皆さん、本当にありがとうございました。おかげさまで楽しい夏休み(前半戦)になりました!