仕組みが動いている例(大阪231日目)
一昨日、「思いを仕組みに」というnoteの記事を書いた。
家に帰ってきたら、まさに自分がつくった「仕組み」が機能し、一つのカタチに結実した本「みんなが喜ぶワインのおかず/大橋みちこ*宮崎県都農町」が届いていた。*思わず、大阪の宿舎に買い置きしている都農ワインと記念写真。
この本は、ワインのおつまみ研究家の大橋みちこさんと、都農町のみなさんが協力して作り上げた本で、その企画の中核を担ったのが「一般財団法人 つの未来まちづくり推進機構(通称:つの未来財団)」だ。
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ぼくは2018年4月から2020年3月までの2年間、宮崎県都農町に出向していた。2年間で取り組んだことは、役場だけでは解決できない社会課題について、多様なステークホルダーと協業しながら解決を目指す外部の専門組織づくりだった。
例えば、行政の予算は1年単位であり、議会の議決を経て決まっていくけれど、もう少し長い期間、大切に温めないと生まれてこないものがあると感じていた。そこで、町に寄付された「ふるさと納税」を原資として、ある程度の裁量権を持って活動し、公的な役割を果たす外部組織をつくろうと考えた。
それがつの未来財団だった。
1年目で宮崎大学を主要なサポートメンバーとする座組をつくり、2年目に自分が業務執行理事となって財団を立ち上げ、活動をスタートさせた。まずは医療・介護から手をつけて、町立病院に総合診療医を集めて機能向上を図るところまでやって県庁に戻った。
3年目からは、役場職員である山内大輔さんが業務執行理事を引き継いで、業務の裾野をぐんと広げ、行政と町民生活のデジタル化、小中学生向けのキャリア教育、新しい起業家支援の取組など、新しいチャレンジを次々に仕掛けている。
それらのチャレンジの一つが、都農町の宝である「都農ワイン」の価値をさらに高めるための、地域の食材を使ったレシピづくりだったのだ。
自分がいなくなっても、いや、いなくなったからこそ、新しい発想のプロジェクトが生まれ、こうやってカタチになったわけで、「仕組み」の重要性を改めて感じた夜だった。
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本が届いてから舐めるようにページをめくっているけど、本当に良い本。近いうちに自分もマリアージュを試してみよう。
みなさまも、都農ワインと一緒に1冊ぜひ。