仕事はアジャイルで
最近、自分の仕事ぶりをとてもよく表している言葉だなあと、改めて感じる言葉がある。
「アジャイル」
元々は、ソフトウェアの開発手法の一つで、
・プロセスやツールよりも個人との対話を
・包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを
・契約交渉よりも顧客との交渉を
・計画に従うことよりも変化への対応を
価値としていて、最近はソフトウェア開発に限らずプロジェクトマネジメントの手法としても捉えられている。
対応する言葉は「ウォーターホール」
ソフトウェアを開発するときに、要件定義>システム設計>プログラミング>テスト>運用という手順にそって(上流から下流へ)一直線に進める手法。仮に行政手法に当てはめると、計画策定>予算化>事業実施>決算>効果測定、のような感じか。
誤解を恐れずにいえば、これからの行政の仕事は、予算や事業というのは二の次だと思っている。大事なことは与えられた課題を解決するために「効果的な手法は何なのか」。まずはそこを突き詰めることが重要だと考えている。
たとえば、何かの広報や啓発が必要だったとする(SDGsでもゼロカーボンでもデジタルでも何でもいい)。予算があればTVCMや新聞広告、イベントなどを実施することができる。でも、仮に予算がなくったって、県庁のHPに記事を載せたり、マスメディアが取り上げてくれそうなニュースをリリースする「PR」という手法がある。あるいは、自らが講師となって講演会を企画したり、まずは関心がある人たちでネットワークをつくることもできる。「効果的な手法」は工夫次第なのだ。
さて。一般的な「ウォーターホール」に対応する「アジャイル」。ぼくなりの言葉で言い換えるなら「適当でいい感じ」であるw
・適当:ある性質・状態などに、ちょうどよく合うこと。ふさわしい。
・いい感じ:好ましい印象や良い雰囲気。英語で「Good Vibes」。
つまり、ある課題に対して「ちょうどいい、ふさわしい印象や雰囲気」な仕事をするということで、「感性」を重視する手法なのだ。
ある課題に対して徹底的に向き合っていくと、多様なステークスホルダーと密に付き合っていくことになる。そういう関係性の中で、ちょっとした試行を回していくと「お、いい感じ」とか「微妙に気持ち悪い」とか「あんまりうまくいく気がしない」などという対話が生まれる。そんな場の空気感を大事にしながら取組み内容をチューニングしていくと、徐々に「合う」度合いが増幅されて、そのうち「適当にいい感じ」に仕上がっていく。
行政手法に落とし込むとするなら、関係者との対話>試行(モデル事業)>対話(雰囲気)>試行>対話>試行>対話・・・>お。適当でいい感じ!>予算化>事業実施 といった流れが良いと思う。後から考えれば、この20年ぐらい、ずっとそれでやってきたなー。
・・・と書きながら、そもそもGood vibesなんてことが行政手法なんだろうかと自信がなくなってきたw