不透明な時代に色をのせる
最近、「不透明な時代」という言葉を聞く機会が極端に増えた。産業構造の激変、人口急減に加えて、異常気象・自然災害、そして何よりパンデミック。1年先、いや1ヶ月先ですら見通せない感じがある。
でも、そんな時代であっても、
・DX(デジタル・トランスフォーメーション)
・SDGs
・女性活躍(←言葉としてアレだけど良い言葉がないのでとりあえず)
・高齢者活躍(←人生100年時代の生き方的な意味だけどとりあえず)
このあたりは、当面、企業も行政も「To Do リスト」の上位に掲げないといけない事項なのだろうと思う。
ただ、「やるべきこと」ことと「できること」には大きな隔たりがあって、今の日本社会への「実装」には何重もの壁がある。
たとえばDX。自身の日頃の業務を考えてみても、大量の書類に囲まれ、さらにそれを日々増やしながら仕事をしており、昭和時代の延長にある「手作業感」は否めない。「プログラムがあれば瞬殺」と想像しながら、プログラムのかけない自分は黙々と作業マシーン化することもある。
今後、そういう現場感(リアル)を理想(ビジョン)へと導いていく為には、相当な発想の飛躍が必要。
会田 誠 《灰色の山》 acrylic on canvas 300×700 cm 2009-11
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三菱UFJ銀行は、顧客情報3億ページ分(コピー用紙の厚みを1枚・0.08mmとすると、その距離は12km!)の書類を最新テクノロジー(画像認識+ロボット作業)を使って5年かけて全部データ化するらしい(人力だと30人体制で68年分の作業だって!)。
このプロジェクトが本業にどれほどの恩恵を与えるのかは正直よくわからないけれど「まずはデータ化」という強い意志は感じられる。
世の中がどれほど「不透明」であっても、結局そこに何かの「色」をのせていくのは人の意思だ。その「色」が鮮やかに次の世界を照らすのか、あるいはますます混沌としてしまうのかは「やってみないとわからない」。
チャレンジだとかアクションだとか、そういう「強い意志をもった具体的な行為」が尚一層たいせつになってきたと思う。
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