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映画「シサム」Pから学ぶこと(大阪170日目)

映画「シサム」が公開開始(9/13から)

アイヌと和人との歴史を描いたドラマで、松前藩士の主人公(「ナミビアの砂漠」で絶妙な味わいを醸していた寛一郎さんが好演)が両者の狭間で葛藤し、成長していくという時代劇だ。アイヌ文化の表現がとても丁寧で、教養映画としても十分見応えがある。面白かった!

さて。この映画は、友人である漫画編集者・嘉山健一さんがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた作品。大阪に来てすぐ、数年ぶりに再会し、この作品のことを聞いていた。

漫画編集者が偶然、ふるさと納税のパンフレットを手にしたことがきっかけとなって、気がつけば映画をつくることになってしまったという話だった。そんなことってある?w そして意外にも?堂々たる作品に仕上がっているからまたすごい。

ざっくりとした経緯は
・5年前、嘉山さんがたまたま居酒屋でふるさと納税パンフレットを見かける
・イラストとか使えばもっと良いパンフレットになるのに、と店主に言う
・店主(出身者?)はその場で当該町長(北海道白糠町)へ電話
・町長から「機会があったら一度来てください」と言われる
・たまたま担当漫画家(ホムンクルスの山本英夫さん)が北海道に行く予定があったので同行して立ち寄ることに
・居酒屋から1週間後には町長とミーティング
・フリーハンドでの企画会議になり、映画製作の話が持ち上がる
・知人のベテラン脚本家(朝ドラ「梅ちゃん先生」)に「誰か後輩を紹介して」と相談したら本人が引き受けてくれる
・・・・といった流れで、本格的に映画製作がスタートしたそうで。


そもそも嘉山さんは本業・漫画編集者で、映像経験はゼロ。
そんな人が実力派俳優をズラリと揃えて、全国公開の映画をつくったのだからミラクルとしか言いようがない。

でも、嘉山さんだからできた、という面もある。
裏表がなくて何事にも一生懸命な人なので愛され力が半端ない。知り合いも多い(何せ宮崎県庁にも知り合いがいるw)。そういった自分のネットワークを駆使しまくって、エフェクチュエーション(意思決定理論)を展開した超優良事例なのかもしれない。

この「シサム」の例から学ぶべきは、必ずしも先に企画があるわけじゃないってこと。「なんか面白そう」という感覚で繋がっていくところから、意外なことに展開していくってそんなに珍しいことじゃない。だから、あまり壁をつくらず、とりあえず巻き込まれてみることも大事。面白いこといなるかも。

実際に最後まで仕上げるのはすごい大変だけど、それはまた別の話。



食パンのハジの方は味濃ゆ目で食べる(マヨとハチミツ)
安いのでつい足がむく/天満酒蔵


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