シェア
凪野基
2020年11月8日 06:23
ルルヤを伴侶に、と望んだのは自分だ。部族は違うが互いに族長筋、歳も近かったから気が合った。日が暮れても二人で遊び回って叱られた。草原を転がり、水切りをし、狩った兎や鳥を捌き、星を数えた。長として立つとき隣に望むのは、ルルヤ以外にない。 そう思ったから婚姻の話を持ちかけたのだが、気取らない付き合いを続けてきたがゆえに、改めての場は気恥ずかしかった。晴れの装束に曲刀を提げ、珠と羽根飾り、五色の