ネタばれ厳禁①
『ネタばれ厳禁』とうより『自ら情報をシャットアウト』している。それそのものを見に・体験に行くまでは。特に僕の場合、興味を示す事柄に関しては。
やはり予備知識無しで見たり体験したりしなければならない。特に初めての事は。
一定の緊張感を持って、何らかのタイミングでゆるんだり、その後一定以上の緊張感を持ったりゆるんだりを繰り返していると、余計な暗示が入りやすい。
すなわち、催眠効果が生まれてしまうのだ。
やっかいなことに、体験するか決められないでいるうちから普通人は何かしら不安や緊張感を抱えているものだ。
去年、催眠術スクールの先生・同スクール生と滋賀県へ合宿に行った時のこと。メタセコイア並木に行く機会があった。そのすぐ近く、平飼い養鶏を少しやっている農家さんの直売所に立ち寄った。
同行していた中の一人が、平飼い卵の良さを熱弁する矢先に看板を見つけたからだ。さらに、平飼い無精卵(平飼いの普通の卵)の他に平飼い有精卵(ひよこになる可能性のある卵)の良さに関しても力説した。
僕は興味を持ったが、緊張もしていたようだ。なにせ、平飼い卵自体が初めてだったからだ。
いざ買う時、有精卵たまごも売っていて、どうしようかな?買ってみようかな?でも一人暮らしの僕には数が多い・・とボヤくと、
買う気満々の同行者が10個入りのうち2個分けてくださると言ってくれた。
僕は『10個も食べられない』という不安・緊張感から『2個だけ』ということになって気持ちが解放された。
その時、同行者が続けてこう言った、
「有精卵って、時々ヒヨコになりかけのモノも
混ざってするんですよね」
白「(;゚Д゚)エエエエぇーーーーーエッ!」
僕は欲しくなくなった。
欲しくなくなったが、平飼い卵がどんな卵か食べる経験をしてみないと良さが分からない。さらに農家さん直売の平飼い卵本場の味を知るチャンスでもあるので、おっかないけど1個だけ頂くことにした。
一連の様子を見ていた先生は
「それ、悪い催眠ですよ?」と、たしなめた。
その時はどうして催眠効果が起きたのか分からなかった。今こうして執筆していてようやく分かった。催眠効果が生まれる条件が僕に限って揃っていたのだ。
旅から帰って、ヒコヨにならないうちに早々に頂くことにした。
沸騰したお湯に卵を入れて、そのまま6~7分火にかける。半熟卵が出来上がる大体の目安だ。
これが実に美味しい。2個貰っても良かったかも・・、いや自分で10個買っても良かったかも・・とまで思った。
つまり、余計な知識が入ると感じ取れたかもしれない自らの感性を鈍らせる結果になりうるのだ。
3月22日、『シン・仮面ライダー』を見て来た。先日、公開初日に元職の後輩が見て来たと言っていたアレだ。
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後輩「シン・仮面ライダー見てきましたよ。
面白かったですよ」
白「オレこれから見に行くからネタばれ
厳禁だよ?」
後「そう思って、具体的な内容は言いません。
でも『面白かった』くらいの抽象的な
表現なら良くないですか?」
白「まぁ、それくらいなら」
それくらいならまだ、後輩が面白いと言ったから面白いはずだと期待することにはならないし、その逆、面白くないと言ったから面白くない・・という頭にもならない。
けど、しいて言うなら否定的な表現をされると、やや斜(しゃ)に構えて見に行くことになったかもしれない。それもわずかだけど催眠効果の表れになる。
みんなレビューなんて見てないでマッサラな感覚で見に行ってもらいたい。それこそ自分で自分に悪い催眠暗示をかけているに過ぎない。
みんながどう反応しているか様子を見る時代など、とっくに過ぎ去った。自分の感覚100%でしか真実は見えてこないのだ。
つづく