令和五年仕込み・波動味噌
手前味噌を作り始めてはや3年、今年も2月に味噌を仕込んだ。
2020年2月、初めて味噌作り体験に参加して以来、自家製味噌を毎年作っている。そこで一つ気が付いたことがある。
と、気が付いたことを話すその前に
僕が味噌作り体験に行った時のことをお話しする。
場所は、当時東京在住の僕にとって比較的行きやすかった甲府の辺りの塩山(えんざん?)という所だった。農家に転身した40代くらいのご夫婦がやっている体験会に参加したのだ。普段は一般募集していないとのことで、何も知らず何となく甲府に小旅行してみたかった時にこれを見つけて丁度よく行く運びとなった。
体験会には男は僕一人で、あとの6人くらいは全員女子だった。『女子』と書くと誤解を与えそうなので女性だったと訂正する。
午前10時に始まり午後3時過ぎくらいまで作業したんだったか。お昼前くらいにある若い女性に話しかけてみた
白「こういう体験会にはよくいらっしゃるんです
か?」
若「いえ、これが初めてです」
すると、何処からともなく意識外から別の女性がおもむろに
別「どうしたの?」と話に入ってくる。
白(何だいきなり、どっから現れた??)
若「あぁ、『こういうのよく来るんですか』ってい
ってただけ」
別「あぁ、そうなの」といって離れていく。
白 言葉を失う
味噌作りが次の工程、次の工程に進むに連れさっきのよく分からない会話の意味が分かってくる。
『そうか、これはセキュリティシステムなんだ!』
要するにそうやって友達同士お互いに面倒な男がよらないように監視し合ってるんだ。昭和や平成初期辺りでアニメやドラマにも使われていた表現で、自分に注目させるために会話に割って入る女の子とかもあったけど、時代にそぐわない。メディアの影響もある、新宿の迷惑ナンパの影響もある。だからお互いを必要以上に守り合っているに違いない!しかし、動機も確かめずによくそんな決めつけで行動出来るな?
と真実が分からないなりにそう解釈した僕は、勝手にやや胸くそな気持ちになりつつも、
『僕みたいなヤツでも、一応一貯前の男として
警戒してもらえるんだなぁ』とか、世間が僕を見る目がとらえ方に寄るけど、いい方向に変化しつつあるのかな?とか思ったりした。
いよいよ最後の工程、樽(たる)にふたをする。
ふたに『日付』と『味噌』と書くよう促される。さらに、『何味噌』と書くのがいいかな?という話にもなる。
そこで僕は、ふたをする前に矢追純一さん宇宙塾直伝の方法で、気を注ぎ込んでいたので
『波動味噌』
と書いて、自己満足になりかかった。
すると参加者の一人が
「出た!、波動味噌!!」とまぁまぁ大きな声で読み上げてくれた。
白「やめてください大きな声で
恥ずかしいじゃないですか」
一同大笑い、セキュリティシステムを起動させた女性二人も大笑い。
あぁ、良かった・・。あのまま要注意人物にならなくて、ラッキーだった。
やっぱしこの、
場が和むのが僕が生まれ持った星らしいのだ。
ホッとしてこの日の体験会は無事終了。
つづく
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