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二人の賢者と熊本遠征3

■前回のエピソード》

※賢者α=僕の仕事を少しサポートしてく
 ださる宇宙の流れに逆らわない天才の友達。
※賢者β=税理系職の一見普通に見えるが
 めちゃ深みのあるカッコイイおじさん。

 賢者αは2~3年前に財布を現在のモノに新調したらしく、それも『大安・一粒万倍日・大雨の日』にさらに雨脚が強くなる勤務上がりの平日夕方以降の普通なら面倒な気持ちになるような時に、『エイヤーッ!!』という値段の財布を有名デパートで購入したのだそうだ。それから、徐々に金運は上がっているという。今回白蛇にのってもらえて大喜びだった。

 つぎに一行は白川水源へ移動。

 ここは見事なほどに美しい湧き水があふれかえる場所だった。水源と併設するように神社があった。聞くとここも龍神系らしい。
 ここでも大祓いの祝詞に続き、龍神祝詞を奏上。さっきよりちょっとだけ上手く読めた。

写真中央奥やや右辺り、下から水が沸き上がり水面が盛り上がっている

 ここではあふれんばかりに湧き出る水を誰でもくんで持って帰って良い。それ用の大きなひしゃくも自由に使えるように置いてある。大きなボトルを満タンにして持ち帰る人もいた。
 僕も2~3口お水を飲んだが、まろやかで本当に美味しかった。煮沸せずに飲んだけど、その後お腹を壊すことはなかった。

 そろそろ昼時、どこかで食べるか否か、話しつつ賢者βが言う高森丼へ向かう。賢者βはカーナビを操作。「高森丼が出てこない」
 助手席の僕に、スマホで検索するよう促す。

白「たかもりどん、たかもりどん・・。
  地元の名物なんですよね?
  近くにあるみたいですけど・・
  検索の仕方がわるいのかなぁ、
  ドンピシャのが出てこないですねぇ」
β「カーナビでも一応出てくるんですけど、
  結構山の中で本当に合ってるのかなぁって
  所なんですよねぇ、もうこのあたりの
  はずなんですけど」
白「・・もう一度なんていうところですか?
  教えてください」
β「『たかもりどんのすぎ』ですねぇ~」
白「え?高森丼のすぎ
  あっ、高森『ドノ』のすぎですか??
β「高森どののすぎ
白「高森どののすぎ、杉の木ですか?」
β「そうです杉の木です
白「あぁ、てっきり高森丼っていう現地の
  有名な食べ物のことかと思ってましたぁ」
 賢者βの濃い熊本訛(なま)りのためか?すっかり勘違いしていた。

 『高森殿の杉(たかもりどののすぎ)』を検索、あと1.2キロという地点に我々はいた。高森殿の杉のすぐ近くに駐車場が2か所ある。より杉の木に近いパーキングに車を停め、人しか通れなくしてある柵を通り抜け、歩いて杉の木を目指す。

急こう配を振り返った一枚

 柵から歩いて120メートルくらいだろうか。そこそこ急こう配の坂道を登ると、探偵物語の松田優作ばりに「なんじゃこりゃぁーーぁぁぁああ!」と言いたくて仕方ない、大変大きくて奇妙なお化け杉があった。

 木に触れてみたり、お賽銭を置いてみたり、木の周りを回ってみたり・・。木の幹の一部が龍が踊り狂ったように上下する様子があったり、物凄い様子だった。

 フと賢者αが言う
「白へびさん、木と一緒に写りたいでしょ?」
白「・・、あぁ・・写りたいです」
α「撮ってあげますよ、あとで送りますね」
自分では思いもよらぬ申し出だった。あまりに巨大すぎる大杉を目の当たりにして頭が真っ白になっていたからだ。
 矢追純一も言っている「流れには逆らわない」が頭をよぎる。「・・、あぁ・・写りたいです」を引き出す「木と一緒に写りたいでしょ?」だった
 木の周りを歩きながら、手持ちのカメラでも自撮りをしてみた。

 物凄い杉の木で、今までにも戸隠神社、三峰神社、諏訪大社、高野山など、それはそれは見事な大杉を様々に見て来た。しかし、それらとは段チに巨大化したこれほどの大杉は見たことがない

地面からちょい上の様子

 この木も、俗にいうパワースポットに生える木に見られる特異な成長の仕方をしていた。木の種類にもよるが、よくある普通の木は少し背が伸びて途中で枝分かれする。しかしここでいう特異な成長の仕方をしている木は、土から芽を出した時点で幹別れし、そのまま大きく成長するのだ。
 磁場の影響か、土地の何かしらエネルギーの影響か、大きく育った大木には時折、地面近くで幹別れしかかって、また一本の幹として収束し途中で幹別れか枝分かれしたような成長の仕方をするものもある。
 とにかくここの木も強烈な印象を受けた。神秘的にも気持ち悪くも奇妙にも感じた。『馬鹿と天才紙一重』と聞くが、『神秘と奇妙紙一重』とも言えそうだ。
 自分を見失うほどに大きな杉の木を後に車に戻る。

β「もの凄い木でしたねぇ~」
白「βさん、初めて見たんですか?」
β「はい、私も初めて見ましたねぇ」
白「ここも前から知ってたんですか?」
β「お二人が来る前日ね、阿蘇のパワースポッ
  トってのを検索して、あるサイトで10ヶ所
  情報がのってて、そのうちの一つだったん
  ですよ」

 実の所、前日までの打合せでは今回の旅でマストで行く場所は、幣立神宮(へいたてじんぐう)と阿蘇プラザホテルと決めていたが、それ以外のことは何も決まっておらず、賢者βがイイ感じに行く場所を決めてくださるという話になっていたのだ。
 前日ネット検索して見付けた所に、時間に余裕があるから連れて来たという。

 昼を過ぎるころ、車は阿蘇山中腹のとある田舎(いなか)のスーパーの駐車場に停まる。賢者β曰く、落ち着いてお昼を食べていると夕方までに熊本市内に移動できないとのことで、スーパーのお弁当でやり過ごすことになった。

 賢者βはクリームパン1個。賢者αは輪切りの巻きずしを5~6きれ。僕は少な目のお赤飯。
 15分ほどスーパーの駐車場で昼食を食べ、そこから10分くらいで幣立神宮に到着する見込み。目的地はもうすぐそこに迫っていた。

 つづく

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