❅夜凪、揺蕩う思慕を食む。taste1
❅キャプション
今回のテーマは猫系モデル×わがまま系アイドルで“思慕を食む”。
途中からのスタートです。中途スタートなんだかエモさ感じません?
バックエピソードは遡りで。続きも構成あります。
シリーズ化したい。気力があれば。笑
あと脚本風も綴ってました。供養するかは未定。
今回も濃く深く描写をしていくって感じで潜っていたので自分で読み返しても随分独特の世界観に仕上がりました。
めっちゃ頑張ったので。
君の好みに突き刺さってくれたら嬉しい。
なんだかキャプションの語彙力低下してる気がするね。
いま、構成と3話まで紡いで既にWord上450分越え…。
え…われほぼ7時間ぶっ通しで紡いでる?
続き、シリーズ化してほしいよって思ってくれるならなんでもいいです僕に君の気持ちください。メールでもコメントでも。是非あなたの気力わけてください。
藍堂翔琉。
➩https://privatter.net/p/10280614
登場人物(設定などは話数が進むごとに明かそうと思ってます。)
✩猫系モデル
柊木維月(ひいらぎいつき)
✩わがまま系アイドル
橘凛也(たちばなりんや)…横峰凛としてアイドル活動中。通称ℛ。
まずは3話まで投稿予定。
❅ーーー❅ーーーー
不意に浮上した意識に手探りで携帯を探る。
充電コードに繋いだまま放り投げた昨日。
明日は大事な用事だと言っているのに無理やりに詰め込まれたスケジュールは体力も精神力も容赦なく削っていた。
少なくともカーテンの隙間から差す光は朝ではないことは確かだ。
なかなか見つからないそれに諦めかけたところでひんやりとした金属特有の温度を指先に感じた。
だるすぎる腕を持ち上げて画面をつければ眩しすぎる照明が目を容赦なくさしてきて思わず唸り声をあげた。
深夜2時。
超絶最悪な時間。絶対明日…いや、今日に響く。
本日二回目の唸り。
消したはずの画面がまた煌々と光った。
若干の苛立ちのままスクロールすれば現れた電話のコール。
画面にはいつの間にか連絡先リストに鎮座していた彼の名。
ーーーーー“橘凛也”。
かれこれ数か月前、突然俺のファンとか言いながら脅迫まがいの告白をしてきたトップアイドル横峰凛…通称Rの本名らしい。
アイドルに興味もなければそもそも横峰…いや、Rを知らなかった俺は丁寧にお断りをしていた…はずだったんだが。
なにがどうしてこうなったのか。
あれよあれよと弱みを握られ手籠めにされた。
つか、半ば横暴に連絡先を強奪された挙句ワンコールで出ろとか。
しかも大抵は一方的なわがまま放題のリクエストコールだ。
「またか…。」
明日は俺の大事な転機になるかもしれない撮影があるからと言っておいたはずなんだけど。
「紛いなりにもあんたもトップアイドルやってんならわかるだろ…。」
ため息をつきながら通話の音量を出来るだけ絞りコールボタンをタップした。
「はい。柊木ですけど。」
「今立て込んでるんで手短にお願いしますよ。」
「あの…。」
「で、何の用っすか?」
「あの、聞いてます?」
いつものように不機嫌オーラで捲くし立てる。
明日は俺にとって本当に大事な日なのだ。
今度こそあんたの言う通りには動きませんよと言外に滲ませて告げる。
それなのにうんともすんとも言わないコール。
何かがおかしい。
いつもであれば俺の話をぶった切りながら要求をしてくるのに。
わがまま放題の大声コールに辟易していたはずなのに。
静かすぎる電話が寝起きの俺の脳へと警鈴を叩きならす。
考えうるありとあらゆる可能性を。
最悪を変えようと模索する。
なにが起きているのかわからないままさっき下げたばかりの音量を最大にした。
「どうした?」
電話先の音を注意深く聞きながら
何度目かの問いの合間に鼻を啜る音を拾って見たこともない彼の泣き顔が浮かんだ。
その瞬間なぜだか俺の中の何かが焼き切れそうに焦がれた気がした。
「誰。誰っすか。」
通話先で息を呑む音がした。
誰だこいつを泣かせてるやつは。
成りを静めたはずの苛立ちが沸々と湧き上がって頭を締め付ける。
僅かに痛みを訴えかける頭が鬱陶しい。
いや、それより
「いまどこ。どこにいるんすか。」
答えのない通話に苛立って乱雑に端末をタップする。
スクエアのアプリを立ち上げれば地図が浮かんだ。
ふと頭をすぎる思考に
「あんたが無理矢理入れたんすからね。後で文句言わないでくださいよ。」
と釘をさしておく。
ーー目当てのしるしは彼の家に静かに鎮座していた。
「家に、いるんすね。」
答えはない。
「いまからいくから。」
これも無言。
「逃げんなよ。逃げたら今度こそあんたの連絡先消す。」
それでも音のない通話に舌打ちをひとつ溢した。
それでも。
「この通話ぜってぇーきんなよ。」
そう一方的に告げて昨日適当にほおっておいた上着と車のキーをもって家を飛び出した。
時折、漏れ聞こえる鼻を啜る音に焦りながら車をだす。
運転に焦りは禁物だと思考を変えようとして。
ミラーにうつる自分の格好にいつみられてもおかしくないモデルたるものがこんな格好で外に出てるとかありえないとか深夜だからとかメイクすら昨日のままで昨日の自分にイライラするだとか全てが思考を駆け巡っては消える。
結局は…あいつは。
あの、こじゃれたトップアイドルは、と見えない通話先の凛也に全てを塗りつぶされた。
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※この作品の初稿はぷらいべったーにて投稿しています。
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