「歌舞伎町シャーロック」紹介します。落語と探偵の融合の作品です。

　2019年秋アニメランキングで4位にさせていただきました歌舞伎町シャーロックを紹介させていただきます。

　落語と探偵といういままでにないジャンルを見事に調和した作品で2クールであり、2020年2月現在も放送中です。歌舞伎町シャーロックはPSYCHO-PASS サイコパスや攻殻機動隊、ハイキューをはじめいろんな良作を制作しているProduction I.GとKADOKAWAによるオリジナルアニメとなります。1話のストーリーはこのようにして始まります。

「あの町この町日が暮れて　かぶくこの町ネオンが灯る
金貨銀貨が欲しければ　相手だし抜き謎を解け
集う長屋は曲者ぞろい　人呼んで探偵長屋と申しますッ　」

新宿區歌舞伎町のBAR『パイプキャット』を一人の男性が訪ねてくる。彼はジョン・H・ワトソンという医者で、シャーロック・ホームズが腕の良い探偵だと聞いて依頼に来たのだ。『パイプキャット』には他にも探偵が集まっていてレストレイド警部が依頼の説明を始める。連続殺人犯・通称「切り裂きジャック」によるものと思われる事件がつい先ほど発生し、その犯人を捕まえた探偵は報酬1000万円を得られると言う。報酬は早い者勝ち！探偵達の犯人探しレースがスタートする。

　公式サイトより引っ張ってきましたが、まずタイトルにもあるように今回の舞台は仮想新宿の歌舞伎町です。そしてこの作品に出てくる登場人物は聞きなじみがあるシャーロックやモリアーティー、ワトソンを始めメアリーやアイリーンなどが出てきます。
　このアニメは探偵長屋という腕利きの探偵が集まる事務所があります。そ店に入るとパイプキャットというBarなのですが、奥の部屋には仕事の依頼の説明などをうける部屋という感じです。↓が探偵長屋にいる探偵たちです。

今までにない事件経緯のはなしかた

　探偵作品の華物ものと言えばやはり事件解決の推理。この作品の探偵シャーロック（右から3番目）はなんと落語家が話すようにお噺で事の経緯をはなします。シャーロック自身過去に落語家に憧れており、プライベートも好きな師匠のトークショーがある場合は他のことをほったらかしにして優先していきたがるほどです。いつもは無表情なシャーロックも、噺ができると思うと満面な気持ち悪い笑顔をみせて、それこそ落語家と同じようにどこかの舞台に上がり正座し一礼してから今回の事件の真相を1人2役で噺ます。この2役で話している時もAの人物とBの人物の声の質・喋り方が全く違い、シャーロックを演じている声優の小西克幸氏の演技が非常に輝きます。そして、噺の最後には必ずなぞかけで締めます。
　もちろん探偵はシャーロックだけではなく他にもいるので、他の探偵たちにもアニメではスポットライトが当たります。ストーリーのところにもありましたが、ここでは先に事件解決したら報酬が出るということなので、敵対関係かと思いきや、それぞれが危ない橋を渡りそうであれば心配したり、お互いの行動を邪魔しないように、と彼らにある規律に準じてそれぞれ事件解決に向かうので、観ていても気持ちのいいものです。

何故面白いのか少しだけ考察

　推理ものと言えば御存知の方は知っているこのルール。
・Who done it （フーダニット）= 誰が犯人なのか
・Why  done it （ホワイダニット）= なぜ犯行を行ったか
・How  done it （ハウダニット）＝どのように犯罪を成し遂げたのか
　こちらが推理ものを創作するうえで一番欠かせないものとなります。この歌舞伎町シャーロックでも勿論このポイントをしっかりと捉えております。
　この作品はシャーロック以外の探偵どちらかというと犯人の証拠を集めて追い込み捕まえるっていうのが多いです。（おそらく全てを理解はしているけど話さないだけです。時にシャーロックの噺に横やりしてシャーロックが苦い顔をします）しかし、上記にも書きましたが、シャーロックは犯人の目の前で噺を始めます。そうすることで、そこにいる人達にWhy  done it とHow  done it を分かり易くオチまで用意し話すので、探偵以外の人達は時には同情・時には憤りと感情が大きく揺れるのも魅力です。それに紐づき、シャーロックの行動や見つけたものもしっかりと視聴者に見せます。これによりシャーロックは鋭い観察力・洞察力を併せ持つ探偵として見せつけられノックス十戒（推理ものにおける守らなくてはいけないルール）にも当てはまっているので惹き込まれる作品となっているからだと思います。

最後に

　というわけで歌舞伎町シャーロックを紹介させていただきました。推理落語という新たなジャンルを観れるので皆さまも是非観られていかがですしょうか。最後は私が考えたなぞかけで締めようと思います（ここに時間がかかった！なぞかけは難しいしうまいかどうか自信がありません）

「探偵に依頼した仕事」とかけまして「フィクション作品でありえないことができる人物」とときます。

そのこころは

どちらも「かいけつ（解決・怪傑）」です。