公示催告による除権決定を得て地上権を抹消する話

相続した土地に存続期間が満了した地上権が登記されており、その地上権者の所在が不明であった。
土地を使い続けるうえでは、特に問題はないだろうが土地を売買したりする際には抹消することになるだろう。
依頼者からは抹消したいということだったので、抹消することになった。

流れとしては、
前提登記として相続登記

地上権者の所在調査

申立に関する書類作成

簡易裁判所への申立

裁判所とのやりとり
(予納金の納付や不足書類があればそれを持参したりなど)

公告

除権決定

抹消登記


前提登記としての相続登記

これは、現所有者が公示催告の申立人になるために必要な登記となる。
それ以前に相続登記の義務化が始まっているので、相続登記はマストとなっている。
・被相続人の出生から死亡までの連続性を確認できる戸籍除籍謄本
・被相続人の除票
・相続人の現在戸籍
・相続人の住民票の写し
・相続関係説明図
・不動産の評価証明書等
・委任状
が必要になる。
通常の相続登記と変わらない。

地上権者の所在調査

地上権者の登記簿上の住所を調べ、市役所で戸籍を調べる。
不在住、不在籍証明がでればいいが、相続人がいると戸籍を追っていく必要がある。
また、その住所への配達証明つきで必要書類を送付する。
宛所なしで帰ってくれば、その封筒の写しが申立書への添付書類の一つとなる。

申立書の作成

私の住んでいる地域の簡裁ホームページには、地上権を公示催告で消す際の申立書のテンプレートがなく、東京地裁のHPにも手形や証券のテンプレのみだった。
なので、簡裁に電話をするとテンプレの見本や必要書類の案内があるので取りに来てほしいという、いやメールでくれよ。と思ったが取りに行った。
紙媒体でもらったのでめんどくさいと思いながらも、ワードで同じような書面を作成。
内容としては、誰が申し立てて、原因はなにで、添付書面は何を付けてという内容である。それと物件目録も作成する、内容は登記簿をそのまま記入すればいい。

簡裁への申立

申立書や原本、そのコピーを用意出来たら関西へもっていく。
申立書には依頼人の名前連絡先が書いてあるので、事務所へ連絡が来るように簡裁へ伝えること。
これで依頼人の負担が減る。

裁判所とのやり取り。

地上権者が登記簿上の住所に不在であれば、添付書類もシンプルなので誤字脱字がなければ基本的に何もないとは思う。
一週間しないくらいで予納金の納付をしてほしいので、納付書を渡すから簡裁へ来てほしいと言われ取りに向かった。
納付方法には2つあり、振込と簡裁の会計への直接の支払がある、振込は手数料がかかるので近場の簡裁であれば直接にしたほうがいいだろう。

納付後2~3日後

公示催告の開始決定がされたと、連絡が来た。
異議申述期間?公告期間が設けられその期間になにもなければ、公告期間の満了日翌日に除権決定というながれだそうだ。
その期間が8月19日に開始決定となり12月6日までが公告期間なので、翌日の7日除権決定となる。
4か月弱と結構時間がかかる。
相談が来た時点でこの申請をするようであれば、時間がかかることも伝えているといいだろう。

また、12月頃になったら続きを書きます。

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