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【映画コラムno.6】いつもと違う春が来た。

「春待つ僕ら」を土曜日に観てきた。

ボクは君に勇気を出して話しかけた。
ボクは勇気を出して君の腕を掴んだ。
あまり声を荒げたり怒りを表に出す方ではないけれど…ボクは君の腕を掴んで「なんで無視すんの?」と聞いた。
きっと君はちゃんとした理由があったに違いない、きっと理由なくこんなことしないとどこかで君を信じていたからだと思う。


ボクは正直になれない。
正直でいることがどこか恥ずかしいと思ってしまう。
竜二たちのように自分の気持ちを大っぴらにできない。


ボクはいつもみんなの何歩か後ろを歩き、そっと見守ってるくらいが丁度良い。
いや、意識もせず自然とそうなっている。


神山がボクの前にある日当然現れた。
出会った瞬間から嫌な予感がした。


君を攫っていくかのように、いつの間にかボクには入り込めない世界を、神山は君と作ってしまった。
ボクがよそ見をしている間に、ボクの弱みに付け込むかのように…。
"大事なもの"、"大事な人"。
神山と君は口を揃えてこの言葉をボクに言う。


胸が苦しかった。どうしたらいいのか分からないくらい、もどかしくって辛くて苦しくって…ボクはあの雨の日の放課後、体育館横でたまたま出会った君をふいに抱きしめた。
このもどかしすぎる想いを君にぶつけるしかなかった。


インターハイ前、ボクは君が好きだということを認めようと思う。
好きという気持ちは、恥ずかしいことなんかじゃない。素敵なことだって。
だから、ボクの大切な友達に「みつきのことが好きだ」って伝えたんだ。


今年の春はいつもの春とは違って、君に出会えて恋をして、自分に素直になれた。
ボクがやっとボクに近づけた、そんな気がした。

ボク(朝倉)を演じた北村匠海の演技に魅了された。

会話のキャッチボール、間の取り方、目の動き、口の動き、全てが完璧でボクという人間が完璧に出来上がっていた。繊細なところまでこだわり演じきる俳優さんに久々に出会えた気がした。


ぜひ、映画館に足を運んで映画を観てみてください。

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マロンの日記
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