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わらしべ長者の経営戦略
何回かに分けて、イー・エージェンシーのお金がないなりの経営についてご紹介させていただきました。
投資資金の集まりやすいデジタル業界では比較的めずらしい経営をしてるのではないかと思ってます。
わらしべ長者という昔話があります。
運のない貧しい男が観音様の助言により、わらしべを手に旅に出ます。旅の途中、男はさまざまな人に出会い、手に持っていたわらしべとみかんを交換し、みかんと反物を、反物と馬を、そして最後は、馬に連れられ、男はお屋敷を手に入れ、見ごと長者になるという、有名な昔話です。
20年前の子育て中のある日、この絵本を長女に読み聞かせをしてたら読みながらはっと気づいたんです。この話はまさに経営戦略だなと。
経営として、いきなり長者を目指すことも経営ですが、手に持つわらしべからみかんへ、そしてさらに交換を繰り返し長者に辿り着くことも経営です。
どちらが正解というものでもなく、結果的に目的にたどり着くならどちらの道でも良く、どちらを選ぶと良いかはひとえに経営者との相性だと思ってます。
僕の場合は、起業後から資金がなく、工夫をしながら生き残ってきましたから、わらしべ長者型の経営の方が相性が良かったのでしょう。
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話に出てくる「わらしべ」とは、会社で言えば、つまり元々すでにある社内の価値です。
例えば会社に蓄積された技術やノウハウ、既存のサービス、社員の持つ能力や興味、顧客基盤やお付き合いする外部のパートナーさんも、今ある全てのものは「わらしべ」です。
当社では大きな資金はかけられないので、手元にある「わらしべ」を、いろんな角度から見つめ直し、新しい活かし方を考えて新規事業を立ち上げてきた、という次第です。
もちろん、わらしべの道は目的地まで時間がかかり過ぎるのが難点です。
競合は資金を持ってビュンビュンと僕らを追い抜いていきますから、焦ることはしょっちゅうです。
ただ、経営は早けりゃいいというものでもないようで、時々、早すぎて失敗した会社もあったりします。経営は面白いです。
1995年にホームページの検索サービスからスタートし、現在はデータ活用を通じて社会に貢献するサービスをいくつか提供しています。ここまでの間、何度も交換しながらやってきました。
そして、これから先、社会はまた確実に変わっていくのでしょう。
今は上手く行ってる事業も、いつかは魅力が落ちてきます。その時はまた社内にある価値を見つめ直して、これからの役割を考え直してみようと思ってます。