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創業者という孤独

2023年10月 株式会社DiFun創業

バーチャルインフルエンサーの開発
及びAI技術の提供。

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規模に関わらず、どの創業者・経営者に孤独はつきものだ。

では一体どこで、彼らは、私は孤独を覚えるのだろう。本当の孤独とはなんなのだろうか。

DiFunの創業は私1人。
その後にチームを形成して、(2024/10/10時点)コアメンバー4人にアルバイト3名だ。

最初はたった1人しかいなくてずっと苦しくて、仲間が増えるたびに和らいでいって、楽しく感じるようになった。

それでも孤独はつきものらしい。
フェーズが変わると、
そこにはまた別の孤独が私を待ち受けていた。

10/6でDiFun創業から一年たった。
まだたったの1年、それでも1年かけてようやく気づいた“これでは上手くいかない”や、“難しさの本質”を沢山学んだ。

本記事は、スタートアップ1年目の創業者のリアルな悩みをお届けする。今回は主に、チームビルディング・リーダーシップまわりについて言及している。

リーダーの役割とは

リーダーに1番必要で、求められる大切な役割はなんだろうか。

私は会社を実際に作ってみるまで、リーダーとして活動した事は記憶にある限りほぼない。チームを静かに支える事はあっても、直接的にトップに立った事はない。

・メンバーを適切に配置する

・ルールは可能な限り撤廃して、各々が伸び伸び活動出来るように良い環境を整える

・人に期待をして任せる

・楽しくやる

・フラットに意見を言い合える関係性を作る

・各々気になることがあれば挑戦させる

・一度責任者として任せたのなら、なるべく口出しをしない

・日常のコミュニケーションを大切にする

・感情移入し過ぎず、プロジェクト達成に向けて淡々と必要な判断を下すこと

当初、意識して取り組んでいたのはこの辺りだ。
でも1番大切な役割はこの中にまだ出ていない。


私が思うに、1番難しくて、けれどもリーダーにとって重要な役割とはいうのは
“適切なフィードバックをして、メンバーの目線をひき上げること”だ。

これの何が難しいか、
一言で言えば、“嫌われ役を一定担う必要がある”という事実だ。

楽しくやる、チームを纏めるのは出来る。
問題はその先だ。楽しくやるだけじゃ小さく成功はしても、その先はない。
それぞれが常に勉強し続ける必要があるし、得意でない分野の知識も一定数入れる必要が出てくる。だから時には、適切に厳しいフィードバックをする必要がある。もっといえば、“責任感”という感覚をもって、取り組んでもらう必要がある。


もう1つ、1年かけてやっと気付いたことがある。

人には向き不向きが存在する。
“素質”があるか、しっかり見極めて育てること。

私はこの点において、

“人は期待された分だけ伸びる、だから決して人の限界を決めつけることなく最初に期待をする。大体は本人の意識の問題で、努力をすれば出来るようになる。”

という考え方だった。

それは私自身が、人から勝手に“お前はこれ向いてない”と決めつけられることが大嫌いだからだ。私が何に対して努力したいかは私が決めるし、他人に口出しされる筋合いはない。
言葉は呪いだ。

だから、気をつけてる。
そして自分でいうのも気恥ずかしいが、恐らく私自身は器用なタイプで、勿論一定の努力は必要だが、多くは感覚的に掴んで何故かできる部類の人間だ。

私の失敗は、今まで他人に対しても自分と同じ感覚を適用していたことだ。
素質がなければ、いくら時間をかけてもお互いに苦しいだけだということ。
もしかしたら私が隣で根気強く言い続けたら、それなり良くなるかもしれないが、その人の性質は変わることはなく今後もそれは続く。そして現段階で、私の時間をそこに割くわけにはいかない事に今更気付いたのだ。

父とは週1で電話をしているが、これは父に言われてようやく気付いたことだ。

今の段階であなたが隣に置くべき人は、1を言ったら10を理解してくれる人だよ。
鈍い人は変わらないよ。
つきっきりで言い続ける余裕なんてないでしょ、あなたの時間というリソースの使い方をよく考えた方がいい。

皆んなに対して育てようとするんじゃなくて、
素質”があるかを見極めてから育てる。
ここがポイントだ。

それからもう一つ、1年かけて学んだ事がある。

DiFunの初期のコアメンバーは、自分より確実に秀でてる絶対的な長所があり、尚且つ専門分野を持ってる人で固めた。その専門分野から見える深いインサイトが欲しかったのだ。
だが初期のメンバーに必要な素質というのは、思うに、スペシャリストではなくジェネラリストの方が良いのかもしれない。
正解はわからない。ただのサンプル1として、私の経験を参考にしてもらえたらと思う。

初期の段階というのは、いわば、この地球でどの土地を耕すかを探して決めるところから始まる。
少し耕してみて、土が悪いと判断したら移動する必要がある。が、もっと大切なのは、その土地を耕して得られる収穫量の見積もりをすること、冬が来るまでのタイムリミットと、冬を越すための蓄えを考えて、今の人数と道具でやり切れるか試算すること、ある種の収穫が微妙な場合は種を変えること、常により簡単に栽培できて、かつ栄養価の高いものを考え続ける事、など柔軟に動いてもらう必要がある。
スペシャリストというのは、これ育てたいんだけどどの道具を使おうか?どの肥料導入しようか?どのタイミングでどの頻度水やりしようか?と考えてくれる人。だが、収穫量を増やすために肥料を導入してみたけど、そのコスト含めた収益率を計算してほしいのに、そこを無視して“これを育てるのが楽しい!!”に突っ走ることがある。

これがリスクだ。

分かりやすく言うと、掲げてるものが“やりたいこと、好きなこと”と一致しているならば、言わなくても没頭してくれる。
でも初期のメンバーに必要なのは、没頭して開発することよりも、本当にこのまま開発を継続して良いのかという視点を、定期的に持ち続けることではないのだろうか。
軌道修正するとなった場合、今着手してることを捨てるか否か、もっと柔軟に考える必要がある。その時に、もし彼らが経営に興味がない場合、それについてしっかり危機感を持って考えられる人が自分1人しかいない事に気がつく。

その時、1人という事を思い知らされるのだ。

責任感を持って取り組んでもらう、
常に危機感を持って、考えてもらう。

そう誘導することがリーダーにとって大切なのに、難しい。
何故ならば、フィードバックというのは“信頼関係”がないと、受け取ってもらえないのだ。
根底でリーダーとして見下されていると、“なんでこいつに言われなきゃならないんだ?”と反抗される。

遠回しに優しく言い続けても、全く気づかないし聞く耳をもたない。
何故ならば、多くは“同年代”と比べて、優越感に浸っているからだ。

私にとって同年代などどうでも良い。
やり切った人たちが、何を当たり前のようにやっていて、どんな景色が見えているか分析して、
自分の掲げてる目標に必要な事で、自分に足りてないところに取り組み続ける。それが全てだ。

でも、そうじゃない人もいる。
彼らはすでに優秀だ。だから厄介な点がある。
同世代と比べて、“既に自分はよく頑張っている”と満足し始める。

私は、それを打ち砕く必要がある。

だから時には、ハッキリと切り込む必要がある。
情けない話だが、自分がリーダーとして信頼されてない場合は、反抗心をかってしまう。

既に優秀なのは認めてる。だから今一緒にやっている。都度感謝して、褒めるようにしている。でも、足りない点を言う必要がある。どれだけの言葉を尽くしても、“こんなにも頑張ってるのに…”と思わせる可能性がある。だから嫌われ役なのだ。

リーダーは誰かから褒められることもない。
私は自分自身に足りない点が沢山あることくらい分かっているし、人に上から目線で何か言えるほどの人ではない。それでも言う必要がある。
大きなビジョンを掲げながらも、常に、“このままじゃダメだ”という現実とシビアに戦っている。だから孤独なのだ。

“このままじゃダメだ”という危機感というのは、現場とは明らかな差がある。
誤解しないでほしいのは、現状はそれなりに上手く進んでいるのだ。だが、最終目標から今を見た時に感じる危機感だ。
どれだけ言葉を尽くしても、この乖離を埋められない時に、私は孤独を感じる。

チームビルディングに関して具体的にどう取り組んでいるか、参考になる本などについても書きたいが、長くなったので今回はここで終わりにする。

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創業に纏わるリアルな悩みの記事連載、noteのメンバーシップを始めることにしました。

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