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自分でできる決算分析⑪ 日本電信電話(NTT)(増収・減益、営業活動によるキャッシュフローの減少)

 日本電信電話(NTT)の2023年4月1日から2023年6月30日と2024年4月1日から2024年6月30日の第1四半期決算(決算短信)について分析します。
NTTの「決算短信」データの入手法は以下の通りです。

 「決算短信」の1ページの赤枠に損益計算書の主な項目と包括利益が示されています。その後のページに損益計算書、包括利益計算書そしてキャッシュフロー計算書が掲載されています。

 まずは、損益計算書項目の一部と包括損益は以下の通りです。

 NTTは、国際会計基準(IFRS)で決算しています。上4行が損益計算書項目です。会社自身やマスコミが報道する決算数値は通常、これらに限られます。営業収益は増加し増収、営業損益以下の利益は減って減益となっています。
 損益計算書上の損益について売上高(営業収益)に対する比率で見た方が分かりやすいので、計算してみましょう。1行目の売上高(営業収益)に対する2行目の営業利益の比率は以下の通りです。 

 増収・減益で、分母の数字が大きくなる一方、分子の数字が減っているので比率が低下していることが分かります。 
 次に、売上高(営業収益)に対する3行目の税引前四半期損益の比率を見てみましょう。

 やはり、増収・減益なので比率が下がっていることが分かります。
 次に、売上高(営業収益)に対する4行目の四半期損益の比率を見てみましょう。

 増収・減益なので比率が下がっていることが分かります。
 NTTの各活動からのキャッシュフローは以下の通りです。

 左の期間は、営業活動によるキャッシュフローの黒字では、投資活動によるキャッシュフローの赤字、つまりビジネスの拡大に足りないので、財務活動によるキャッシュフローの黒字、つまり借入の拡大による資金を充てています。そして残りの分、「現金及び現金同等物」の四半期末えています。
 右の期間は、営業活動によるキャッシュフローの黒字が左の期間より随分減っていることが分かります。やはり、投資活動によるキャッシュフローの赤字、つまりビジネスの拡大に、営業活動によるキャッシュフローの黒字では足りないので、財務活動によるキャッシュフローの黒字、つまり借金の拡大によって充て、残りの分、四半期末残高が増えています。

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