現役コーポレート本部長が導入してよかったSaaS 5選【バクラク編】
はじめに
今回は、監査法人卒業後、コーポレート実務を約6年程経験する中で、本当に導入してよかったなと感じている、コーポレート実務周りのSaaSを5プロダクト紹介させて頂こうと思います。実は過去数プロダクト、Xでは紹介していたのですが、各プロダクトの素晴らしさを正確に伝えるには文字制限がもどかしく、この度記事化することとしました。笑
特にスタートアップは、コーポレート部(管理部)にかけられるコストが限られているので、可能な限り無駄を排除、かつDXを推進して、業務の効率化を目指す必要があります。
実は、コーポレート実務を始めた当初は私も、システム導入にお金をかけるくらいだったら、自分が徹夜してやればいいや・・・と思っていた時期もありました。そんな方に伝えたいのが、「まだ早いかな?」と思っても、従業員数が30人~50人辺りで、思い切って業務のDX化を進めることを強くお勧めします。
勿論、各社から紹介料などは貰ってませんので、私が忖度なしに思ったことを記載します。また実務で感じたことがあれば、適宜記事を更新していこうと思います。それではよろしくお願いします!
なお、カバー写真は、最新のgptがイメージする「コーポレート部長×SaaS」です。笑
バクラクシリーズ(LayerX)
カバー領域:経理/経営企画
ワークフロー(稟議)、支払/請求書管理、コーポレートカード(以下コポカ) など
何をいまさら・・・と思う方もいらっしゃると思いますが、自信をもってどの会社のコーポレート部門の方々にもお勧めできるのが、このバクラクシリーズです。
2024年5月時点で、バクラク申請(ワークフロー)、請求書/支払管理、ビジネスカードなどのシリーズがあります。
正直、このサービスがなかったら、今のコーポレート業務は成り立っていないのではと思うほど、とにかく素晴らしいサービスです。経理だけでなく、経営企画側面でもバクラクの存在に助けられています。正直機能を考えている人は天才だと思います。
いくつか私がそう感じた理由をご紹介します!
①稟議と支払/コポカの利用の紐づけが可能
まずは何と言っても、稟議と支払、特にコポカの利用が紐づけられる点が、圧倒的に革新的だったと思います。これは、監査法人時代に公認会計士として、IPO準備を行っている各社の業務フローを見てきて感じた部分でもあるのですが、今までのサービスにはなく、経理部門や経営企画部門がずっと欲していた機能でした。
従来、多くの会社が、ワークフローシステムと、請求書/支払、コポカを切り離してシステム(又は紙などで)で管理してきました。
この場合、稟議と支払やコポカを紐づけるに際して、例えば、稟議番号の発番による紐づけ、紙を紐づけて管理するなどの、アナログな方法で稟議と支払を紐づける必要があります。未だにこういった管理をしている会社も多いのではないでしょうか。
私もアナログな紙での管理の実務経験があるのでわかるのですが、非常に工数がかかりますし、例えば稟議がまだ承認されていないのに支払がされてしまう、などのミスが必ずと言ってもいいほど起きます。(番号の確認、記載、紙の印刷、紐づけ、レビュー工数 など)
この課題を解決してくれるのが、このバクラクシリーズです。
まずバクラクの稟議申請を行い、請求書が届いたタイミングで請求書をアップロードして支払申請をする際に、先に挙げた稟議申請を紐づけると、なんと予算の消化率まで出してくれます。
また、請求書支払いだけでなく、コポカの支払いも、稟議と紐づけることができます。
特にコポカは、経理実務経験者の方はわかると思いますが、特にカオスになりがちです。よくわからないツールの利用料や、謎の英語の明細が毎月引き落とされている会社も少なくないのではないでしょうか。
そんなコポカの利用状況をリアルタイムに追えるだけでなく、稟議とあてての消化率迄出せるのは、本当に素晴らしい機能だと思います。
どの会社でも起きやすいコポカの無駄使いも、最小限にできます。
バクラクビジネスカードの導入事例インタビューも掲載頂いていますので、是非合わせてご覧ください。
②現場の方々を巻き込んだ経営管理が可能になる
稟議は現場を巻き込んで推進できる一方で、請求書が会社に届いてからのフローでは、業務が経理に集中してしまう会社も多いはずです。結果、請求書の未到達による支払い漏れや、請求書を現場が確認していないのに支払われてしまう、現場が自部門に関するコストを適切に把握できていない、といったケースも多いのではないかと思います。
そのような課題を解決し、「現場を巻き込んだ経営管理」を可能にしてくれるのが、バクラクです。
バクラクを利用すると、基本的には以下のようなフローになるかなと思います。(勿論会社によって異なってきますが。)
・現場のご担当者が、バクラク稟議で稟議申請を行い、上長承認
・請求書が現場に届き、現場が内容を確認し、支払申請を行う(上記稟議に紐づけて申請する)
・現場の上長が内容を確認して承認を行う
・コーポレート部門が承認を行う ※職務権限規程に応じて承認者は変わる
・バクラクからFBデータを作成し、支払が行われる
上記フローを経ることで、経理の負担が分散されると同時に、現場の方々が、適切に自部署の請求書に触れることで、どのようなコストがどれくらいかかっているかを改めて適切に把握して頂けます。これは、経営企画側面でも、事業計画上の実績コストを、リアルタイムで把握頂けるというメリットもあります。コストを正しく現場の方々にご理解いただく事で、よりROIを意識した投資を、全社的に推進しやすくなります。
また、発注者である現場の方々の方が、請求書の漏れに気が付きやすいことから、請求書の網羅性に対して、コーポレートと現場のダブルチェックが働き、支払の漏れも起きにくくなります。
よく監査法人時代の元同僚(スタートアップ転職組)から、どうやって現場の方々を経営管理に必要な範囲で巻き込んでいるか?と聞かれることがあるのですが、上記バクラクの機能を使うことで、「必要最小限」の現場巻き込みを実現できることが、バクラクのすばらしさだと感じています。
③経理業務が圧倒的に効率化される
なんといっても、経理業務が圧倒的に効率化されるのは、バクラクを導入した、最も大きな成果です。ものすごく効率化されるので、正直月次決算は、私一人でも本気でやればなんとかなるのではと思えるくらいです。
主に以下フローで、請求書/コポカの経理処理が完結します。
※前払いの按分などの決算整理は、会計システムで別途行います。
・請求書の支払申請を行い、バクラクに取り込む
・かなり高精度のAI-OCR機能で、読み取りが行われる
・バクラクで仕訳が推定される(過去データなどから学習)
・freeeなど、連携している会計プロダクトにはAPI連係される
・仕訳が入る
※コポカも導入していればほぼ同様の流れ
過去、紙の請求書を会計システムに永遠に入力したことがある私からすると、バクラクを導入した後の経理処理とでは、天と地ほどの差があります。
導入前は、紙の請求書を見て、過去の仕訳をコピーして、消費税を間違えないように確認して、相手先を選んで、科目を直して・・・ とんでもなく工数をかけていました。
特に請求書を取り込んだのち、OCRの精度や、仕訳の自動推測機能によって、(勿論一部修正を入れますが)ほぼ会計システムまで、手入力無しで進んでいくのが、革新的だと思っています。LLMの進化などに伴い、ここがどんどん進化していくのだろうと思うと、ワクワクが止まりません。笑
最後に
バクラクの素晴らしさについて、挙げ始めるときりがない(タイムスタンプ機能、直観的なUIUX、カスタマーサクセスの親切さなど)ので、一旦、導入して最も感じた3点のメリットを詳細に記載してみました。
あくまでも私が感じたことなので、導入検討される方は、是非トライアルなどで自社にあうか検討をしてみてください。
さて、1プロダクトで相当な文字数になってしまったので、また他プロダクトは別記事でご紹介をさせて頂こうと思います。お楽しみに!
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諸見里卓 / mov / 元 しろ(組織内会計士)(@kaikeishiro)さん / X (twitter.com)
■Note(自己紹介と過去のキャリアはこちらにまとめています)
自己紹介_今までのキャリアについて(mov CFO/組織内会計士の諸見里卓です)|諸見里卓 / mov CFO / 会計士 (note.com)