厳しい環境で生きる スターリンジア
厳しい環境では、強いものだけが生き残る。
それは真実でしょうか。
またじっくり観察したい花に出会ってしまいました。
かすみ草?!カスミソウは100種類以上あるので、もしかして新種に出会えたのでは!
少し興奮気味に近づきました。
「んん?カスミソウ?」花に向かって呟いていると、
すかさずスタッフの方が、「スターリンジアっていう花なんですー」
「半分ドライなんですよー」と説明してくれました。
「半分、ドライ」とは???
乾く大地で
西オーストラリアの砂や小石がある、水の少ない場所に生息するスターリンジア。
強い種類なのかと思いきや、種から育てるのは凄く難しいそうです。
強くないのに、厳しい環境で懸命に育った花です。
そもそも水分が少ない花なので、出荷された時点でドライになる。なるほど、「半分、ドライ」なわけです。
かと言って水をあげると、もの凄い勢いで水を吸います。
さらには、カビまで生えました。(冬なのに!??)
本当に厳しい環境で生きてきたんだなと感じます。
青い少年
自生するスターリンジアはグレーです。
西オーストラリア州の最初の総督ジェームズ・スターリングにちなんで命名されたそう。
ソ連の、あの方では無いようです。
オーストラリアでは「Blueboy」と呼ばれるそうです。
漆喰を作る時に、花から出される化学成分によって、青くなることがあるからだそうです。
青い少年。何かのタイトルになりそうな、ネーミングですね。
染めるし、染まる
今回見つけたのは人工着色されたものでした。
漆喰を青く染めるだけでなく、自分も染まります。
7つのダイヤモンド?
花のように見える部分は、じつは実です。
その実がいくつもくっついて、一つの塊を形成しています。
少し可哀そうな気持ちになりつつも、正体を知るべく分解!!
すると、この小さな球体の中に7個も実が!!
ダイヤモンドが指輪に納められるようになっています。
中心のがくに、7つの実がついて球体になっているのです。緻密なデザインですね!
一つ一つは、とても堅い実になっています。
やっぱり、厳しい環境で生きるだけあって、隠れた強い部分を感じました。
ドライ&フレッシュ
フレッシュな花材と合わせると、スターリンジアの発色を美しく魅せることが出来ます。
今回お相手に選んだのは、生花や、アレンジで大活躍するソリダコ。
冬を連想する、深みのあるレッドに、新春を思わせるフレッシュなグリーン。
ドライと一緒でも、フレッシュと一緒でも。
色々な環境に、染まることが出来る花だと感じます。
厳しい環境で生きる、全ての人に送りたい花です。