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損切りが上手かったはずが・・・
この10月27日に行われる衆議院議員総選挙について、自分は10月11日に「損切りが上手い石破総理」という文章を書いた。
ところが解散から日時が経ち、投票日が近づくにつれて風向きが変わってきた。そもそもここ最近は物価が上がってきている。かつては100円を切っていた明治カールが148円で売っていたり、松のやのとんかつ定食590円がいつのまにか630円になっていた。特に米の値上がりは凄い。5kgで3980円(税抜)の値札を見るとビビる。もちろん自分はもうちょっと安い米を買うけどそれでも去年よりはるかに高い。
その一方給料が大きく上がったわけじゃない。自分もそうだし中高年は定期昇給だけとかベアがあっても1%もないとかそういう人が多いだろう。確かに新卒初任給は急激に上がっているが恩恵を受けるのは一握りだ。
物価は上がる、でも給料は大して上がらない。生活苦しくなるよね。たまに一杯飲もうと思っても回数控えたり、安い店を探したりする人多いのではないか。衣類もユニクロは高くなった。買うのを控えるかより安い店を探している人は多いのではないか。
そういう生活が続くと人間不満がたまる。そんなところに総選挙だ。誰に入れても物価が下がることはないが、今の政権に不満をぶつけるため野党へ入れてみるいう人も思ったより増えてきているのではないだろうか。ここで期日前投票の投票者数の表を見てもらいたい。
(東大阪市はリンク先のPDFファイルのリンクを見てください。また和歌山市もリンク先のPDFファイルのリンクを見てもらうと前回との数字の比較ができます。)
両市とも公示後すぐは前回に比べて投票者が少なく、関心が低かったと思われる。でも直近2~3日頃から前回のそれを上回るようになってきた。急速に関心が高まってきていると思われる。
やはり、とどめを刺したのはこれか。
23日水曜日の赤旗(日本共産党機関誌)がスクープしたいわゆる「裏金問題」で自民党の公認がもらえなかった候補陣営に2000万円の活動資金が渡っていた問題だ。マスコミ各社も後追い報道があり、自民党森山幹事長もお金を渡した事実を認めた。自民党公認候補には「公認料」として500万円、加えて「党勢拡大の活動費」として1500万円支給している。それは当たり前のことだ(金額の多寡は問題としない)。ところが非公認になった候補にも「党勢拡大の活動費」として2000万円を支給していたのだ。正確には「選挙区の支部」へ「党勢拡大の活動費」を支給するもので非公認の候補本人に支給するものではない。ただ自民党非公認とはいえ選挙区の支部長のまま居座っているとどまっているのだ。「党勢拡大の活動費」と「選挙活動費」は違うらしいがどうやって区別するのだろうか?
裏金問題というのは「裏金作ってけしからん!」だけの問題じゃない。未だにそれで怒っているのは一部の野党支持者ぐらいだ。ただ裏金を作ってよいですか、悪いですかと聞かれたら大部分の人が悪いと答えるだろう。政治家も入り用だからちょっとぐらい裏金作ってもええがなええがなと答える人はまずいない。そして一部の野党支持者以外の人は裏金問題に早くケジメ付けて本来の職務執行・政策立案・政策論争をしてくれとうんざりしているのだ。その点裏金議員のうち12名に自民党の公認を与えず、残りの裏金議員も比例区名簿から外す(比例復活当選ができない)という一定のケジメを付けた。そのはずだった、のに公認候補と同じ金額を出してしまった。野党からは裏金議員に裏金とかステルス非公認などと批判の声が上がっているが、身から出たさびだろう。
そして損切りが上手い石破総理だが、損切りできなかったようだ。
(不本意であっても)陳謝しなきゃいけないところを「報道に憤りを覚える」と逆ギレと取られかねない発言をしてしまった。これで自民党への逆風が強まってしまい、もう一つの与党公明党にもダメージを与えたことは間違いないだろう。
報道で与党過半数割れだ、石破は退陣だ、と書かれているのを見て「そうやって煽って部数やページビュー稼いでいるんだな」と自分は冷めていた。それで11日に「損切りが上手い石破総理」という文章で自民党・公明党はそれほど負けないこととその理由も書いた。しかしその後感じた自分自身の肌感覚と一連の事件で考えが変わった。それでも自民党単独で200議席を割る可能性は低いと思っているが、文春の見出しのように自民197議席であってもさほど驚かない。煽りが本当になりつつある。