門出を祝う
管理人Oです。
実は、本記事が投稿される3月23日は、私が勤める大学で卒業式が執り行われる日です。
思い返すと、自分自身が今年度の卒業生とともに大きく成長できた年だったことに気づき、今回は、卒業する方々に向けた記事を書くこととしました。
挑戦の年
私は現在、医学部生の学生支援を行う部署に配属されています。留学生担当として、協定校との学生交流プログラムの実施を通じて、学生の皆さんと接しています。
私の業務に限った話ではありますが、2022年卒業生は、コロナ禍における制限の中でも最大限の学習・実践の機会を得るために、一緒に悩み、挑戦した学年でした。
2020年度の初めからコロナの影響を受け、医学科生にとって非常に重要な、臨床実習が満足に実施できない状況に陥りました。学生は皆、各診療科から提供されるeラーニング教材をもとに学習を進めるほかなく、実際に医療の現場に入り、症例を直接見て学ぶという機会はほとんどありませんでした。
このような状況下で、2021年度には、臨床研修開始時に必要とされる技能と態度を評価する試験(臨床実習後OSCE)、卒業試験、そして、医師国家試験を受けないといけない、という厳しい状況に置かれていました。
そんな中、私が携わるプログラムの一つ、Hawai'i Medical Education Program(通称『HMEP』)の一環として、本学から初めて3名の学生を国立病院機構 静岡医療センターでの1~2か月に及ぶ実習へ派遣する運びとなりました。(プログラムの詳細は、提供されている一般社団法人JrSrのホームページをご覧ください。)
http://jrsr.or.jp/program
上記プログラムに参加した学生は、皆、自分の目指す医師像を持ち、それぞれ実習において、積極的に実習指導医や他の上級レジデント、他大学から実習に参加された実習生と意見交換をし、患者さんの診療に携わるなど実践的な臨床教育を受けてこられました。
私はと言うと、実習参加にあたり、日本国内の感染状況の現況を確認し、実習への派遣実施に向けた情報収集・連絡調整や、学内の各種会議に諮ることで全体調整を行いました。実習先での学生の挑戦・成長の裏側で、私も同様に奔走・挑戦をして、大きく成長させてもらったと実感しています。
恐らく、本学の学生のみならず、コロナ禍においては、ほとんどの方が多くの制限の中で、最大限自分ができる範囲の挑戦をされてきたことと思います。
2022年卒業の方は、そのような環境の中、大学を修了された強みがあると信じています。私の手の届く範囲での実感ではありますが、学生と関わり一緒に成長してきた中で、その強さをひしひしと感じました。
社会に出られた後も、持ち前の環境の変化に適応しつつ、自己実現のために挑戦をいとわない姿勢は、どんな困難な状況においても、突破する力となるでしょう。
2022年卒の皆様、ご卒業おめでとうございます。また、ささやかながら皆様のご活躍を応援しております。
最後に、本学の学生が実習参加を終えて提出してくれたレポートから、強く印象に残った部分を紹介して、今回の記事をしめくくらせていただきます。
静岡の実習を通して、challengeの二つの意味を学んだ。一つ目のchallengeは挑戦である。新しい場所へ行き、やったことのないこと、自信のないこと、学んだことがないことに触れることはとても勇気がいるが、一歩踏み出して挑戦することで、たくさんの気づきと発見があることがわかった。
二つ目のchallengeは異議を唱える、という意味である。
(中略)
Challengeすることで、こんなにも多くのことを学ぶことができるとは思ってもいなかった。私は今後も、この二つのchallenge精神を忘れずに医療に携わっていきたい。
(引用:HMEP参加レポートから)