柊木快維

愛媛大学俳句研究会/短歌会¦詩歌同人誌「浮遊」所属¦短歌ユニット「水界線」

柊木快維

愛媛大学俳句研究会/短歌会¦詩歌同人誌「浮遊」所属¦短歌ユニット「水界線」

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略歴

-2023年 2023.01 作歌開始 2023.02 作句開始 2023.09 NHK短歌入選 テーマ「疑問符」(岡野大嗣選) 2023.11 第60回現代俳句全国大会 学生の部 曾根毅・野口る理選入選 2023.12 個人ネットプリント「The Melancholy without Haruhi Suzumiya」を発行 -2024年 2024.02 愛媛新聞第6回「青嵐俳談大賞」 神野紗希選入賞 2024.02 「賢治に献ずる詩歌」川柳部門・一般の部優秀賞

    • 感情と〈市場/詩情〉について

       途轍もない酷暑がつづく夏に、僕は毎日のように清涼飲料水を飲み干す。清涼飲料水に付き纏っている青春性のとおくで、それでも、色鮮やかに着色された液体を太陽に透かしながら、ペットボトルの底で泳がせていると自然と爽やかに気持ちになってくる。  これは秋元康が書いた詞のなかで飛びぬけて好きな一節で、色と感情のかかわりを直接的に、かつ負の側面を強調して表現しているのがすばらしい。人体から流れる真っ赤な血液を視たときに僕らが怯むように、もしも涙が真っ青だったなら、僕らは人を泣かせること

      • 『遮光』(25首)第3回U-25短歌選手権予選通過作

        「遮光」/柊木快維 ◯ お手軽なタイムマシンとして飲酒とか睡眠を乱用してる 性欲は水色の蛇のイメージで螺旋階段降りゆく僕へ ママチャリを買って正解だったでしょ寒さで膀胱が縮むでしょ 死ぬことはいつでもできて柘榴の実熟れる速度で回想はすぐ 川沿いに町は歪んで盗まれた自転車がそこらじゅうに錆びつく ◯ 饒舌なクレームのあとで泣き出してそれっぽく続ける保留音 入口の花瓶の細かい傷見つつ洋楽のような邦楽を聴く 令和だぞって誰か突っ込む居酒屋の蛸がはいっていないたこ

        • The Melancholy without Haruhi Suzumiya(短歌23首)

          昨年12月につくった個人ネットプリントを加筆修正したものです。  ◇ The Melancholy without Haruhi Suzumiya  柊木快維 神さまのチラシを配るおじさんの額を伝う汗のきらめき 老いた光の《生まれたときの光景をみたことがある》的解像度 歯が肌をつらぬくときの:病院の匂いの:甘く静かな記憶 難病はたちまちきみを魅力的に変えた 桜の舌が裂かれる 薔薇園で接吻している僕たちはTikTokを見たことがない 十代を思い出すとき脳内に流れ

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          【試論】緻密に設計された欠陥―『ポリフォニック・剥落』を読んで―

           ツマモヨコさんと仲内ひよりさんが発行したZINE『ポリフォニック・剥落』を読んだので、その感想を簡単ながら書きたいと思う。正直なところ、かなり衝撃を受けたというか刺激を受けたというか、デザインや短歌の完成度の高さに終始圧倒されながら読み終わった。 1.仲内ひよりさん:〈口語感覚と短歌定型のジレンマ〉  仲内さんの歌にはリフレインが多くて、これは口語短歌的な特性ではないかと思う。「埋もれる」と「生まれる」が似ているという感覚は、完全に言葉を文字ではなく音で捉えているからこ

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          【書評】産声と歌声—『Immoral Baby₋Pink Trap』によせて―

          ※本稿は、音羽さんの1st歌集『Immoral Baby₋Pink Trap』に対する書評であり、とくに注記がない場合はすべて、この歌集からの引用です。 1.序文:あくまで不道徳な自分語り  中学2-3年生のときの担任の先生は、道徳の授業に力を入れる人だった。自分で用意した豊富な資料やテキストを活用しながら展開されるその授業で、僕たちは〈道徳〉について旺盛に議論させられた。僕はその先生と個人的に折り合いが悪かったけれど、その授業に対する熱意・愛情は受け取っていたから、比較

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          好きな短歌3首についてvol.1

          この記事では、好きな短歌3首を紹介しつつ、それぞれについて少しずつ自分の解釈や考えを書いてみたいと思います。 これは別に自分のなかのベスト3!というわけでもなくて、最近妙に気になっていたり、気付いたら真似してしまうような歌を集めています。 批評とか歌評にはぜんぜん満たない、感想・鑑賞なのでお手柔らかにお願いします。 僕はもともと青松輝さんの短歌が大好きで、彼をきっかけに短歌を始めたタチです。んで、最近は歌集『4』に所収されていないこういった歌がとても気になってます。 この歌

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          創作という呪い―ルックバック論―

          去年の学生祭用に書いた藤本タツキの読み切り漫画「ルックバック」の論考が出てきたので、ほとんどそのまま掲載しようと思います。 ところどころ拙い文章ですが、結構面白いことを書いてると思います。 これからちょくちょくnoteでも、Twitterじゃ収まらない短歌鑑賞とか俳句論を書こうと思ってるので、ぜひフォローなどしてくれたらうれしいです。 ♢ ヒトは何故創作をするのか。それは「ココロはどこにあるか」という質問と同じで、全くもって本質に迫っていない問いだ。「ココロとは何か」を問

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