染料(オレンジⅡ)
(画像は部で制作したナイロンを染料で染めたものです)
器具
100mLビーカー、50mLビーカー、20mLメスシリンダー、100mLメスシリンダー、5mL駒込ピペット、お湯・氷、水槽
薬品
スルファニル酸、炭酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、塩酸、2-ナフトール、水酸化ナトリウム
実験の手順
Ⅰ.スルファニル酸のジアゾ化
スルファニル酸1.0gと2.5%炭酸ナトリウム水溶液15mLを100mLビーカーに混ぜる。そのままだと溶けにくいので水槽にお湯を張り、湯浴して溶解させる。
0.5g亜硝酸ナトリウムを50mLビーカーにとり、2mLの水で溶かす。
①と②を混ぜる。
今度は水槽に氷水を張り、③の溶液を冷やす。
十分に冷えた溶液に6M塩酸2.5mLを駒込ピペットで滴下する。
Ⅱ.カップリング反応
2-ナフトール1.0gと2M水酸化ナトリウム水溶液5mLを50mLビーカーに入れ、攪拌して2-ナフトールを溶かしきる。
Ⅰで作った溶液と①で作った溶液を混ぜる。カップリング反応が起きて溶液が赤やオレンジになる。時々かき混ぜつつ5~10分ほど時間を置いて反応を完結させる。
原理説明
原理
Ⅰ.スルファニル酸のジアゾ化
この手順の本質は「スルファニル酸のアミノ基(-NH₂)をジアゾニオ基(-N≡N⁺)に変えること」つまり「スルファニル酸のジアゾ化」である。炭酸ナトリウム水溶液を混ぜたのはスルファニル酸を水に溶けやすくするためであり、特別反応と関わりがあるわけではない。
亜硝酸ナトリウムに塩酸を加えると、水(H₂O)・塩化物イオン(Cℓ⁻)・NO⁺ができる。そうしてできたNO⁺がスルファニル酸と反応し、水(H₂O)とスルファニル酸のジアゾニウムイオン(R-N≡N⁺)ができる。これがスルファニル酸のジアゾ化のしくみである。
Ⅱ.カップリング反応
この手順はジアゾ化ほど難しい反応ではない。簡単に言うと「ジアゾ化したスルファニル酸と2-ナフトールを合体させる反応」である。はじめの方の手順で水酸化ナトリウムを入れたが、これは2-ナフトールを水に溶かしやすくするためであり、塩基性であれば水酸化ナトリウム以外でも構わない。
こういった反応を特に「カップリング反応」という。
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