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ナイロン6-10

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器具

試験管、50mlビーカー×2、10mlピペット×1、2mlピペット×3、ガラス棒、ピンセット、湯煎器、蒸留水


薬品

ヘキサメチレンジアミン(H2N(CH2)6NH2)
水酸化ナトリウム(NaOH)
セバシン酸ジクロリド(ClOOC(CH2)8COOCl)*
ヘキサン(C6H14)
アセトン(H3CCOCH3)
図は6,6-ナイロンだが6,10も同じ


実験の手順

1.50mlビーカーに、水20mlとNaOH1粒を加え、湯煎して融解させたヘキサメチレンジアミン1mlを加える。

2.別の50mlビーカーに、ヘキサン10mlとセバシン酸ジクロリド1.2mlを加える。

3.①の溶液に②の溶液を、ガラス棒を用いて慎重に加える。このとき、ガラス棒の下端は①の溶液すれすれの壁面につけるのがよい。

4.2層に分離した溶液の境目をピンセットで引っ張り、試験管に巻きつける。

5.巻きつけたものをアセトンで洗う。机に広げて乾かす。


原理説明

この実験はポリアミド結合でできたポリアミド系合成繊維のナイロンを作る実験である。

鎖状のジアミンであるヘキサメチレンジアミンと、二価のカルボン酸であるセバシン酸ジクロリドが縮合重合を起こし、これらのモノマーがアミド結合で繋がったナイロン610が生成する。
ナイロン66とほぼ同じである。

水酸化ナトリウムを加える理由は、副生成物のHClを中和し、ナイロン610生成の方向に平行を移動させるためである。また、生成したHClがヘキサメチレンジアミンの-NH2と反応して塩酸塩になると、濃度の低下により反応速度が低下するため、HClを反応系から取り除くために加えている。

ちなみに、もう少しミクロに見ると、、、
①セバシン酸ジクロリドは塩素の電子吸引により電子不足
②アミンの非共有電子対がCを求核攻撃
③酸素原子が活性化して不安定な中間体イオン形成
④塩化水素が脱離して、アミド結合を形成
⑤界面重合が連鎖的に続き、ポリマーとなる。


引用

卜部吉庸 『化学の新研究』

高2 山口 乾燥後の最高記録は6.5mくらいでした。

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