高志保園の壁画制作をお願いしたイラストレーターの大村郁乃さんより、素敵なメッセージをいただいたのでご紹介します。

2023年7月27日 10:01

高志保園の壁画制作をお願いしたイラストレーターの大村郁乃（＠ikunooomura）さんが、SNSで素敵な投稿をしてくださったので、許可をいただき、内容を全文転載します。（文章の最後に壁画の写真アップしていますので、ぜひご覧ください～）

読谷村にある社会福祉法人海邦福祉会の障害者支援施設高志保園の壁画を制作しました。

長さ３３mの廊下で両面なので約６６mの壁画の制作を行いました。施設の改装に伴い、白い壁と入所者の部屋のドアがある長い廊下をキャンバスに見立て、
何か面白いことをしたい！という理事長の知念さんの熱い思いがあり、オファーを頂き実現しました。

高志保園は、入所の障害者支援施設で、主に知的障害の方たちが生活しています。

こちらで長年生活をしているので、彼らにとってはこの施設は家で、日常生活の場です。

私は、以前知的障害者の支援施設で支援員として働いていた経験があるので、よく分かるのですが
彼らには彼らのペースがあり、「普通」の人がルールと思っていることや、礼儀やマナーなどが彼らにとっては馴染まないこともたくさんあります。例えば、廊下でずっと座ってたり、寝転んでたり急に大声出したり、ダッシュで走ってきたり、、笑

それが、悪いこととか嫌なこととかではなくて、それが彼らの当たり前で彼らの生活の場だし、それが日常なんです。

私は彼ら一人一人に愛着があって、こうして文章を書いている間も、みんなの顔を思い浮かべては、可愛いな、とかウケるな〜とか〇〇さん、やばいな〜っw
面白いかったな〜とかでニヤニヤしながら書いています。

きっと彼らの日常は「普通」の人が見たら、ちょっと変わってる、とか、なんでこんなことしてるの？
と変なふうに思われるようなことが多いと思います。え〜〜〜！！ってなることもしょっちゅうです笑
なんでここで寝てるの？とか、座ってるの？とかが日常です。

それを、ここに座るな、とか、こうしなさいとか、こちら側の「普通」に合わせてもらうようにしても、すぐにうまくはいきません。

今回、この施設の廊下も、廊下で黙ってただ座ってる彼らを毎回注意したりするより、
ここをストリートとして風景に見立てて、自然の中に彼らが座ってるように見えたら面白いんじゃないか？壁面にデザインを施すことで、この方たちがいる空間が
いいもになるようにしたい。
というのが知念さんの思いでした。
なので、廊下ではなく、ストリートと呼びたい、と。

それで、私の描く熱帯の木で植栽し、この廊下を「トロピカルプランツストリート」としよう！ということで
プロジェクトがスタートしました。

こんなに長くて、大きな壁画を描いた事がないので、初めは壁紙や透明シートの印刷で対応した方がいいのではないかと検討しましたが、利用者の中には、壁紙などを剥がすのが好きな人もいるとの事で、手描きで進めることになりましたw こんなに壮大な壁画、大丈夫かな、という不安と、ここがストリートになったらすごい楽しそう！というワクワク感で、スタートしました。

高志保園での制作、
理事長をはじめスタッフの皆さんみんないい人たちばかりで、利用者さんもみんなウケるし、アシスタントをしてくれたかりんちゃんもいい子だし、本当に楽しかったです。　