【気付けばベテラン①】感情労働でもオンとオフを使い分ける、内間さんの仕事感
ある会議の日。集まったメンバーを見て理事長・隆生さんが
「おっ、今日はこのメンバーなんだね〜」と声をかけると、「気付けばベテランメンバーで振り返りをします!」と返ってきたそうです。
そういえば新卒で入社したメンバーが、気付けば早8年選手。
心強さとともに、今の「気付けばベテラン時期」を残しておきたくなりました。
ということで、今回から3回にわたり、気付けばベテランシリーズをお送りします!1人目は、新卒で入社し、一度も辞めたいと思ったことがないという内間翔平(うちましょうへい)さん。オンとオフを大事にする内間さんの働き方をぜひご覧ください。
<取材執筆:外部広報/三好>
入社理由は「他の施設は移動するたびドアに鍵をかけていたけど、海邦福祉会はひらけてた」から
ー内間さんは、8年前に新卒で入られたんですよね。入所の経緯からお聞きしてもいいですか。
内間さん「福祉系の大学に通っていたので、国家資格を取った後に就活をはじめました。いくつか合説や見学に行ってみた中、海邦福祉会は施設の雰囲気が圧倒的にひらけていたので、ここがいいなと思ったんです。家は全然遠かったんですけど」
ーひらけてた。他の施設はどんな感じだったんですか?
内間さん「移動する場所場所で、施錠をしていました。元々そのイメージはあったんですけど、いざ見学してみると働く不気味さを感じて怖くなったんです。ここで働くのはどうなんだろうって」
ーたしかにわたしも海邦福祉会さんに来るまで、施錠のイメージが強かったです。内間さんはそもそも、どうして障がい者福祉の道を選んだんですか?
内間さん「大学のゼミで障がい分野について勉強した際に、障がいを持つ方が地域で生活できるサポートがしたいって思ったんです。過去に車椅子バスケのボランティアをやっていた時、サポートを受けつつ楽しそうにしている姿がいいなと思っていたので、それを障がい者分野でもやりたいなって。どんな人でも、地域で、健常者と変わらず暮らしていくために、パイプ役みたいな仕事をやりたいと思ったんです」
内間さん「あと小学校の時、クラスにダウン症の子がいたんですけど、普通にみんなと一緒に遊んでいたのに、中学校に上がったタイミングで気付いたらいなくなってて。特別支援クラスに異動してたんですけど、そのことにモヤモヤしていました。いま思えば、その違和感が頭に残ってたのかも」
オンとオフを分けたいタイプ。感情労働でも感情を引きずらないよう「仕事中は別の自分を作る」
ー入社した当時のことを覚えていますか?
内間さん「最初はやっぱり仕事を覚えるのに必死でしたけど、みんなが自由に過ごしている雰囲気がやっぱりいいなって思いました。障がいがあるからとかホームだからといって、支援が建物内で完結していない。スーパー行ったりドライブしたり、僕がやりたかったことが既にできているんだなって感じました」
ー8年間を振り返ってどうですか?コロナ禍もあり、大変な時期もあったと思います。
内間さん「人生を考えて、ずっと福祉を続けられるかなって不安になったことはあります。だからコロナ禍のタイミングで、洋服いじりをはじめたんですよ」
ー洋服いじり?
内間さん「初めて時間ができて、服もいっぱいあったので、遊び感覚でリメイクするようになったんです。それをよく行くお店の人に見てもらったら「やってみない?」と誘っていただいて。お直しの手伝いや、イベントに僕が作った洋服を出展するようになりました」
ーすごい!本格的。そこで服飾の道に行こうかなとは思わなかったんですか?
内間さん「正直考えたこともありました。一緒にやらないかって話もあって。だけど一時期、楽しさよりも苦しさに変わりはじめた瞬間があって。服は自分が楽しめるくらいのレベルでやるもんだ、って気持ちに切り替わったんです。元々プライベートと仕事をはっきり分けたいタイプなんです。服だと、切り替えができなくなっちゃうだろうなって」
ーオンとオフを大事にされてるんですね。素人目線ですが、福祉のお仕事って「この時間以降は仕事しない」はできると思うんですけど、感情的なところで切り替えるのって難しい気がしてて。その辺は分けられるものですか?
内間さん「僕は、演技とまではいかないですけど、仕事中は自分じゃない自分を作っている感じなんです。本当は別にこれくらいはいいかもなみたいなことも、本人の成長のために怒ってるふりをするとか」
ー仮面を被るみたいな。
内間さん「そうですね。そんな感じです」
ー切り替えは割とうまくできるタイプですか?
内間さん「ミスったなと思ったことに関しては結構忘れなくて、そこはめっちゃ考えちゃうんですけど、大変な時やきついなって思う瞬間はあんまり頑張ろうとしすぎないかも。そういうコントロールは得意な方かもしれないです」
ーめちゃくちゃ大事なことですね。
内間さん「人が少なくて、どうしても自分の負担が増えてしまった時期は、そういう思考で乗り切りました。自分で選んだ仕事だから、勝手に追い込まれて嫌になりたくないし、嫌いになったら自分を否定してるみたいで嫌だなって」
ーこの仕事を一生続けたいですか?
内間さん「どうですかね。ちょっとまだ分からないです。色々考えるタイミングではあるんですけど」
ーキャリア的にはどんな風になりたいとかあるんですか?
内間さん「お金の部分、経営の部分が見たいなって思ってます」
ーもしやサビ管!サビ管不人気会議を以前記事にしました(笑)。
内間さん「(笑)。でもそれってきっと、なってみたから気付くことじゃないですか」
ーまさにそういう結論に至りました。じゃあ今はサビ管の資格を勉強中ですか?
内間さん「ちょうど今勉強中です。昨日も亜紀さんとふたりで動画を見て、心が折れてました(笑)。オンデマンド授業を視聴してレポート提出するんですけど、すごい量なんです」
ー大変。お疲れさまです。そしてぜひサビ管に...!最後に、サビ管になったら成し遂げたいことがあればお聞きしたいです。
内間さん「いい意味で施設感をなくしたいです。地域で生活してる人ぐらいまで持っていきたい。入所施設に、普通の人も住みたいって思われるような環境を作っていきたいなって思っています」
ー素敵ですね。ありがとうございました!
取材を終えた後の雑談で、隆生さんより「ベルリンの壁大作戦」という計画を教えていただきました。
「施設敷地を囲っているブロック塀、特に道路に面している部分を無くしてしまいたい。そして利用している方々が近くのスーパーやコンビニで自由に買い物をしたり、施設周辺を散歩したり…愉しそうでしょ」という計画です。
隆生さん「もしこれが実現すると、入所施設のサビ管が大変になってくるんですよ。しょっちゅう謝りに行かないといけない(笑)。交渉も増えますよね。たとえば施設の利用者が、お店の商品を開封してしまった場合に『開けたら全て買い取るのでどうにかお願いします』の交渉をしないといけない」
隆生さん「これからは地域をどんどん耕していくのがサビ管の仕事担っていくと思うんです。地域と連携して個別支援を汲んでいく。いなくなっちゃう利用者さんにはGPS携帯を持ってもらって管理するみたいな。そういう役割が出来上がってくるのかな」
その話に、いいですねと笑顔を向ける内間さん。入社前に内間さんが感じた海邦福祉会の「ひらけている」雰囲気は、ますますパワーアップしていきそうです。
●海邦福祉会では、一緒に働く仲間を募集中!気になる方はリクルートサイトをご覧ください。