やりたいこと、得意なこと、求められること。どれを優先して活動すべきか?
こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。
「アーティストが成功するためにどうすればいいか」という問いに対して明確な答えはありません。
ただそのためのヒントとして
・やりたいこと
・得意なこと
・求められていること
以上の3つが重なるポイントを見つけて、それに取り組むべきという話をしたりしています。
今日はそこから一歩踏み込んだ話を。
特に重視すべきもの
やりたいこと、得意なこと、求められていることという3つの要素はどれも大切です。
しかしこの中で、特にアーティストの成否に最も影響が大きいと感じているのは「得意なこと」です。
成功したいと考えているのであれば、3要素のうち「得意なこと」で勝負する、というのは必須と言ってもいいのではないかと思います。
以下その理由。
まず「やりたいこと」というのは、変化しやすいため軸として置きづらい存在です。
また、得意なことをやって評価されれば成功体験となり、それが気持ちよくなって結局得意なことがやりたいことに変化する、ということもあります。
そのため「やりたいこと」は成功のための最優先要素ではないと考えられます。
ではなぜ「求められていること」でもないのでしょうか。
求められていること、というのはビジネス的に言えば「顧客のニーズ」ということです。
ビジネス的な成否を考えるのであれば最重要と言ってもいいように感じるかもしれません。
ただ、音楽ビジネスに限ってはストリーミングサービスの発展とともに世界中に広くアプローチして広範囲から少額ずつマネタイズすることが可能になってきつつあります。
例え日本国内にあまりニーズのない音楽性だったとしても、クオリティさえ高ければなんとかなる時代になってきているということです。
つまり今の日本のマーケットだけを見て「ニーズなさそう」「流行の感じじゃないな」と考えてしまうのは早計ということになります。
それに対し「得意」というのは急激に変化することが少なく、しかも「クオリティを高める」という点においてかなり有利に働くスキルです。
だから結論として「得意なこと」を最重要視すべきなのです。
商品を細分化する
では自分が得意なことはどうやったら発見することができるのでしょうか。
そのためにはこんなことを考えてみましょう。
突然ですが「アーティストの商品(=売り物)」とは何でしょうか?
言い換えると、ファンの人はアーティストの何にお金を払っているのでしょうか。
音楽でしょうか。
音楽といってもその中の構成要素はたくさんありますね。
歌詞、メロディ、声質、歌唱力、演奏力、アレンジ、音質など。
さらに声質や歌唱力の中にも「ハイトーンに迫力があるか否か」とか「ビブラートが綺麗か否か」とか「リズム感が強いか否か」とか分解が可能です。
それらのどこからどこまでがあなたの商品なのでしょうか。
いえ、それだけではありません。
そもそもあなたの商品は本当に音楽だけなのでしょうか。
例えばライブパフォーマンスが素晴らしいから好き、という事はあり得ますよね。
ライブにおけるMCだって商品の1つと言えてしまいます。
さらにミュージックビデオがかっこいいとか、そもそも顔がかわいいとか、SNSでの発言が楽しいとか、ファンにとても紳士だとか、グッズのセンスがいいとか、プロモーション戦略がイケてるとか…
これら全てファンが増える可能性がある要素です。
つまりビジネス的に言えば売上に繋がる商品といえます。
得意なものを理解する
あなたもしくはあなたのチームメンバーは、これらたくさんの「商品」の中で、どれとどれが得意で、どれとどれが不得意でしょうか?
こうやって分解していくと、強みを理解しやすいと思います。
得意なものは商品として前面に打ち出し、不得意なものでは勝負しない、ということです。
例えば、顔に自信がないならアー写をイラストにしてしまうとか、
声質に自信があるなら名曲のカバーをたくさんアップするとか、
ボーカルのハイトーンが出ないなら優しい系の曲調で勝負するとか、
プロモーション戦略に自信があるならnoteで戦略を解説するとか。
得意不得意が見えてくれば、あらゆる設計が見えてきます。
するとファンが増える可能性や、ファンがお金を払ってくれる可能性が上がっていき、あなたの音楽活動の規模が広がっていきます。
それで得たものを、また新たな商品作りに生かし、さらに素晴らしいものを世の中に生み出していくことができるはずです。
この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。
海保けんたろーより。
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当記事は「海保けんたろーの思考集積場」の過去記事を加筆修正したものです。