アーティストの宣伝活動のコツ。導線設計をちゃんとしよう。

こんばんは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

今日の話は、SNSが流行して以降、インディーズアーティストたちが大変そうなので書きました。

宣伝がんばり過ぎ問題

あなたがもしインディーズアーティストであるならば、

「公式サイトやブログはどんな内容を載せるのがいいんだろう?」
「Twitterにはどういうことを書くのがいいんだろう?」
「メールマガジンやLINE@もやっておいた方がいい気がする」
「いや、でもInstagramからの方が女性ファンが付くかも」
「それよりも17 Live、LINE LIVE、SHOWROOMあたりの生配信系が向いてるような」
「そうだ、それ以前にYouTubeに動画アップしなきゃ」
「っていうかネットだけじゃなくて路上ライブとかで宣伝した方が効率いいかも」
「それよりジャンルが近いアーティストのライブの出口でチラシ配った方が、ライブハウスに出入りしてる人たちに認知してもらえそう」

・・・などなど熱心に考えた結果、一通り手を出して、

日頃からInstagramにおしゃれな写真をアップし、週に数回は生配信アプリで動画配信を行い、数ヶ月に1回はYouTubeに動画をアップし、

さらにライブが1本決まるたびに公式サイトを更新し、Twitterでつぶやき、Facebookに書き、メルマガを送り、LINE@を送rああああああああああああああめんどくせ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!

となってないでしょうか?

おれは宣伝するためにミュージシャンをやってるんじゃない!!音楽をやるためなのに!!

となってないでしょうか?

なってない人には特にためになることはないので、このページを閉じてください。

どうやったら解消できるのか

なぜこうなってしまうのでしょうか?

それは「導線設計」がちゃんとされていないからかもしれません。

導線設計のやり方は、こうです。

・自分の存在を知らない人に、どうやって知ってもらうかを考える

・知った人の中で興味を持ってくれた人に、どんな行動を取ってもらいたいか考える

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
(以降くりかえし)

考えてみればとても普通のことなのですが、これが案外できていないと感じます。

具体的な例を入れて解説してみましょう。

例えば1

・自分の存在を知らない人に、どうやって知ってもらうかを考える
→路上ライブをやって、通りすがりの人に歌を聴いてもらう

・知った人の中で興味を持ってくれた人に、どんな行動を取ってもらいたいか考える
→足元に置いてあるチラシを受け取って読んでもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→チラシにあるQRコードを読み取ってもらって、LINE@アカウントを友だち登録してもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→LINE@でライブ情報を送るので、「行きます」と返信してもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→実際にライブにきて、楽しんで、その場でCDを買ってもらう

例えば2

・自分の存在を知らない人に、どうやって知ってもらうかを考える
→YouTube広告に課金をして、YouTube利用者にMusicVideoを見てもらう

・知った人の中で興味を持ってくれた人に、どんな行動を取ってもらいたいか考える
→動画の終わりや説明文に公式サイトへのリンクを設置し、公式サイトにアクセスしてもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→公式サイトのトップに「メルマガ登録すると1曲プレゼント」と掲載しておき、メルマガ登録してもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→メルマガでCDの通販を案内して、買ってもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→通販で買ったCDにはライブ1回無料招待券が同封しておき、ライブに来てもらい、そこでグッズを買ってもらう

例えば3

・自分の存在を知らない人に、どうやって知ってもらうかを考える
→SHOWROOMで、毎日カバー曲の弾き語り配信して、星集め目的で来た人たちに見てもらう

・知った人の中で興味を持ってくれた人に、どんな行動を取ってもらいたいか考える
→放送内で呼びかけて、Twitterをフォローしてもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→Twitterで定期的にオフ会(ファンミーティング)を告知し、来てもらう

・その行動を取ってくれた人に、次にどんな行動を取ってもらいたいか考える
→オフ会の場でチェキ(写真)やCDを販売し、買ってもらう

さらに深掘りするなら

こんな感じで、しっかりと

認知→興味→行動→購買

といった1本線を作ることができれば、あとはそれぞれのクオリティを高めていく努力をするだけで、ファンも増えていくし、音楽活動による収入も増えていく、ということになります。

さらに徹底的にやるならば、ひとつひとつのポイントで数字を計測すると良いでしょう。

「例えば1」を例に取ると

・路上ライブをやって、通りすがりの人に歌を聴いてもらう

・足元に置いてあるチラシを受け取って読んでもらう

→路上ライブ1時間あたり、何枚チラシを持っていってもらえたか?

・チラシにあるQRコードを読み取ってもらって、LINE@アカウントを友だち登録してもらう

→チラシ100枚配布あたり、何人がLINE@友だち登録をしてくれたか?

・LINE@でライブ情報を送るので、「行きます」と返信してもらう

→LINE@友だち100人あたり、何人が「行きます」と返信をくれたか?

・実際にライブにきて、楽しんで、その場でCDを買ってもらう

→ライブ動員100人あたり、何人がCDを買ってくれたか?

この4つの数値を計測できるようにして、あまりに低すぎるポイントがあったら、その部分を改善していけばいい、というわけです。

例えば「チラシ100枚配布あたり、何人がLINE@友だち登録をしてくれたか?」の確率が低すぎるなら、
チラシの内容が良くないか、「チラシからLINE」という誘導自体の相性が良くないということになるし、

「LINE@友だち100人あたり、何人が「行きます」と返信をくれたか?」の確率が低すぎるなら、
LINEの送信内容が良くないか、「LINEからライブ予約」という誘導自体の相性が良くないということになります。

こうやって整理して考えていけば、「あなたが使う必要のないサービス(SNSなど)」が見えてくるはずです。

もっと宣伝活動を効率化させることにより、あなたが純粋な音楽活動に使える時間が増えますように。

海保けんたろーより。

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当記事は「海保けんたろーの思考集積場」の過去記事を加筆修正したものです。

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