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「トイレまでの歩行が危なくなったらポータブルトイレ導入」、そんな簡単な話ではない、という話
●足腰が弱ったご利用者の現状
私はこれまで、福祉用具専門相談員として、日々いろんなご利用者さんと接してきました。その中で、足腰が弱ってしまい、トイレまでの移動が難しくなった方もたくさんいらっしゃいます。トイレまでの足取りがふらふらしていて、転倒しそうで心配・・・ということで、お部屋の隅にポータブルトイレを置いて使うケースもあります。今日のnoteは、そんなポータブルトイレ導入に関するお話。
●ご利用者の気持ちを考えると
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これまで私は、たくさんのポータブルトイレ導入ケースを経験してきましたが、ポータブルトイレを導入するか否かは、ご本人の気持ちを考えるとなかなかデリケートな問題です。先日も、ケアマネジャーから「トイレへの移動時によく転んでしまう利用者がいて、ポータブルトイレを導入したいので、持ってきてくれませんか?」と相談がありました。実際にお家に訪問したところ、ご利用者本人は私をあたたかく迎えてくれたものの、ポータブルトイレを部屋に置いた途端に不機嫌になってしまいました。「こんなものを部屋に置きたくない」という心の声が顔に出ていて、こちらも非常に複雑な気分になってしまいました。
●ポータブルトイレ導入に対する反応
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こんな風に、ポータブルトイレの導入は、一筋縄ではいかないことが多々あります。例えば、
・部屋にトイレなんか置きたくない
・部屋が臭くなる
・家のトイレも使えない体の状態なってしまったことへの悲しみ・落ち込み
・近所の人が家に来たときに、トイレが置いてある部屋に招きたくない
といったようなご本人の感情・気持ちも踏まえ、ご本人の気持ちやプライドに対して配慮しながらの導入が必要だったりします。単純に「トイレまでの移動が危なくなったから、ポータブルトイレをどうぞ!」とはいかないのです。
●代替手段の模索
ポータブルトイレを使わずに済ませることができるのであれば、私もポータブルトイレ導入を回避する方法を考えたりします。
例えば、車いすや歩行器・杖など、不安定な歩行を補完する福祉用具を使って、家のトイレまで安全に移動する方法が有効であれば、そちらを優先します。しかし、家のトイレが狭かったり、動線に段差があったりして、車いすや歩行器がうまくたどり着けないケース、ご本人が歩行器などの用具を使いこなすことができなかったりするケース・・・などなど、やむを得ずポータブルトイレを使うしかない場合も多いです。
●最後に
転倒はお年寄りにとって大問題です。
転倒
→大腿骨骨折
→入院手術
→安静の日々
→その間に体が弱る
→歩けなくなる
→寝たきり
・・・なんていうことになってしまうことも・・・。
ポータブルトイレの導入は、ご利用者の気持ちを汲みながら、慎重に進める必要があります。お年寄りの気持ちを理解しつつ、必要な福祉用具を適切なタイミングで導入していくことが大切です。何より、排泄でお困りのケースがあれば、ケアマネジャーさんや福祉用具専門相談員に聞いてみると良いと思います。きっと力になってくれると思います!
ではでは。
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