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「父に自動車免許を返納させたほうがいいのでしょうか?」

高齢者の自動車運転事故が、報道されると同時に、高齢者の「運転免許免許自主返納」の話題も取り上げられています。高齢の親を持つあなたは、「免許の自主返納」についてお悩みではありませんか?この記事では高齢者の自動車免許の返納についてまとめています。

運転免許証の自主返納制度とは...

運転免許証の自主返納制度とは、高齢によるさまざまな心身の変化のから、「自動車等の運転が不安…」と感じた方のために、運転免許証を自主的に返納できる制度です。

運転免許証は、自動車等の運転をするためのライセンスだけでなく、身分証として使っていた方も多いはずです。運転免許証、全部を免許証の有効期限内に返納すると、発行手数料はかかりますが、「運転経歴証明書」を交付してもらうことができます。運転経歴証明書は、公的な身分証明書として、永年利用することができます。
免許を自主返納して、運転経歴証明書を発行してもらうと次のような特典もあります。

・バスやタクシーなど公共交通機関の運賃が割引される
・スーパー銭湯などの施設の入場料が割引となる
・信用金庫の定期の金利が優遇される
・レストランの飲食代が30%割引になる
・ホテルの宿泊料が20%割引される

運転免許証の返納から、運転経歴証明書交付にかかわる特典は、都道府県ごとに異なります。お住まい地区管轄の警察署にて確認してみてください。

加齢により、運転に関わる能力は、どのような心身の変化が起こるか

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ここでは、加齢による運転のリスクを考えていきましょう。高齢者は加齢による身体の変化より、運転の動作のミスが起こりやすいと言われています。

◆視野障害
視野障害を引き起こす原因は、老化による機能の低下に加え、長年抱える持病が原因で起こるものです。緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性、黄斑変性といった、目に関する疾患が挙げられ、視野障害を持つ方の6割以上が、65歳以上と言われています。視力がよくても、視野障害が起きていることがあります。それは、視野障害が起きていても、自覚症状を感じづらいという事実を、理解しておく必要があります。

◆筋力の低下
人間の骨の動きを支える筋肉(骨格筋)は、筋肉の繊維が束を作り、成り立っています。例え、筋肉を酷使し、筋繊維が傷ついても、傷ついた部位は時間をかけ復活し、筋肉は元に戻り、強くなります。トレーニングや身体を使った後に筋肉痛を起こした経験をお持ちの方も、多いはずです。しかし、老化することで、筋肉の再生する機能も低下します。
身体を動かす機会が減り、筋力が低下した場合に、低下した筋力を元に戻すのが困難であるのは、前述の理由が一番に挙げられます。

◆判断力の低下
加齢により脳の細胞が変化することで、少しずつ細胞が無くなっていってしまった結果、脳が萎縮します。これにより、判断力の低下が起きると言われています。この脳の変化は、中年以降に出現しはじめ、高齢になると、その変化は明らかになると言われています。

◆身体機能の低下
これまで挙げた障害や機能低下以外にも、加齢以外に原因のない老人性性難聴・睡眠の質の低下による、居眠り運転・パーキンソン症状(すくみ足や小刻みに歩くなど)による動作緩慢が挙げられます。老化による身体機能の低下は、誰しも起こり得ることなのです。

どんな状況になれば、返納を考えたほうが良いのか

高齢になったから、と言う事実だけで、運転免許証の返納について納得されない高齢の方も少なくありません。次のような状況が見られたり、本人が自覚される場面があるようであれば、運転免許証の返納を検討する必要がでてきます。

◆家族が、高齢者の運転に同乗した場合、発見できるポイント◆
・右折・左折のウインカーを誤って出したり、忘れたりする
・スムーズにカーブを曲がれないことがある
・障害物や歩行者、他の車に注意が いかないことがある
・車庫入れ、車庫出しの際、塀や壁に車をこすることが増えた

◆本人が自覚するポイント◆
・物忘れが多いと自覚するようになった
・身体が、若いころのように動きづらい
・部分的に、視野が狭くなった気がする、景色が見づらくなった
・運転中に「ヒヤっ」としたことがある

「若いころと違うかも」、「なんだかおかしい」と高齢者本人が思っていても、その事実を認めづらい・認めたくないため、本人は事実に気づかないようにしている場合も、あります。家族がいち早く気づくことで、将来、重大事故を起こさないようにすることへとつながるかもしれません。

親のこと、実際どんな所に相談したらいいの?

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・警察庁、または都道府県警察
安全運転相談ダイヤル(♯8080)と呼ばれる窓口が,警察庁・都道府県警察に設置されているのをご存じでしょうか。全国どこからでも、発信した場所を管轄する部署につながります。高齢者ドライバー本人だけでなく、家族も電話できる窓口ですから、是非利用してみてください。

・企業や役所など、介護福祉サービスを取り扱う部門
⇒免許を返納を説得する場合に、車を運転しない場合の”代替案”がないことから、高齢者ドライバー本人が、返納に踏み切れないと言うこともあります。これまで、運転免許証をもたずとも、企業や役所の介護福祉サービスを受け、生活されている方も多くいらっしゃいます。実際に運転免許証を返納された場合に利用・活用できるサービスについて相談するのはいかがでしょうか。

まとめ

図1

高齢者の人口が増える中、高齢者の自動車運転に関するニュースも数多く報道されています。加齢による身体変化から、事故を起こす高齢者は少なくありません。実際に返納するかはさておき、運転に不安を持つ高齢者ドライバーの方は、ドライバー本人や、その家族が運転免許証返納について検討する機会を持つのは、よいことです。

実は前から考えていたと言うあなたは、ぜひ当社まで相談をお待ちしております。介護におけるささいなお悩みでも構いません。

フッターB


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