高齢の親と行く、親子仲良し旅行を考えてみよう。
コロナが落ち着いたらやりたいことに関する意識調査の中(*1)で「旅行」について、上位に挙げられています。あなたが大人になってから、高齢の親と一緒に、旅行へ出かけたことはありますか。この記事では、高齢の親と旅行をしたいと思ったときに役立つヒントをまとめました。
親子旅行を実現するまでのステップ
ここでは、実際に旅行へ行くまでの理想的な流れを、次に挙げ、解説していきます。
1,親にどこへ行きたいか、どんなことをしたいか確認する
2,ケアマネージャーに相談する(介護事業者に相談する)
3,具体的なプランを立てる
4,交通(移動)手段を検討する
5,旅先の医療機関等を確認、または予約をする
6,ホテルや旅行会社等へ相談・予約をする
①親にどこへ行きたいか、どんなことをしたいか確認する
普段の会話から、親がどんな場所が好きであるかを把握していたり、または昔の思い出の場所など、あなたが親を旅行に連れていきたい場所があるはずです。とは言っても、若年の頃と比較し、親の志向に変化があることも考えられます。「サプライズで旅行をプレゼントする」というのも悪くはありませんが、最初は、本人に、旅行へ行きたい場所・体験したいことを確認するのが良いでしょう。
②ケアマネージャーに相談する
親が、要支援・要介護認定を受けているようであれば、ケアマネージャーに相談するのが最適です。その理由は、人により身体の状態や必要な支援・介助は異なってくるからです。自分の親のことだとはいえ、離れて暮らしている方はもちろん、同居している場合でも気づかないことはいろいろとあるものです。
例えば、「最近、左足があがりづらくなってきており、階段が危険である」「定時薬を飲み忘れることが目立っている」など、細かな日々の変化は、無事に旅先で過ごすために重要な情報です。
また、現時点で要支援や要介護の認定を受けておらず、心配な点がある場合は、介護事業者に相談することも、手段として挙げられます。介護の視点で、気になるポイントをプロに相談・確認し、フォローしてもらえると心強いですね。
③具体的なプランを立てる
親の希望と、サポートが必要な点を考慮し、旅行の具体的なプランを検討してみましょう。ポイントは、イベントを詰めすぎないことで、シンプルな方が望ましいです。親を思う気持ちが故に、「これもしたい!」「あの場所へ連れていきたい。」とスケジュールは過密になる傾向に。加齢による体力の変化は、親本人が感じ、把握しているはずですから、一緒にプランを立てることをおすすめします。
また、旅先のレストランを予約する場合、通常メニューでよいのか、場合によっては、食事をカットする必要があるのかなど、咀しゃくの機能低下がある際は、前もって手配しておく必要があります。他にも、車いすは利用が可能なのか、エレベーターは設置されているかなどは、事前に確認しておくと、いざという場合も安心して対応することができます。
一度プランを立てることができたら、ケアマネージャーに相談してみましょう。親に無理のなく、できる範囲で、旅を楽しむ幅を広げることができます。
④交通(移動)手段を検討する
自家用車で移動するか、公共交通機関を利用するかといった点ですが、複数の候補を入れておくことが賢明です。自家用車であれば問題ないことがほとんどですが、タクシーやバス等を利用数場合は、車椅子の乗り入れ、乗り口までのエレベーターの有無などを確認しましょう。また、利用交通の便が、あまりよくない地域へ行かれる場合、電車に間に合わなかった場合、すぐにタクシーが手配してもらえる地域なのかという点も留意しておきます。近年都市部で見かけるユニバーサルデザインタクシー等も便利です。
(*2)余裕を持てる旅のスケジュール作りをするためにも、移動手段の情報を網羅しておくことは重要です。
⑤旅先の医療機関等を確認、または予約をする
旅先で体調を崩してしまった場合に、すぐに対応できる医療機関があるか確認をしましょう。泊りがけの旅行など、少しでも環境が変わることで体調を崩しやすい方もいらっしゃいます。また、透析のような専門的な治療を、旅先でも受ける必要がある方もいらっしゃいます。
かかりつけ医に旅行を予定していることを告げ、事前に指示をもらうと、安心です。
⑥宿泊施設や旅行会社等へ相談・予約をする
泊りがけの場合は、一番ゆっくりできるのは宿泊施設です。温泉などこだわりの条件があるかたもいらっしゃるはずです。ここでも、万が一のことや、宿泊中に依頼したいことを伝えておく必要があります。例えば、低層階の部屋を希望すること、介護食の持ち込みの許可などです。ここでも、施設の設備状況を確認しておくことをお勧めします。
直前の予約になると、対応できないことも予想されますので、余裕を持ち予約をします。
お任せしたいなら、こんなサービスも
最初は、気軽に日帰り旅行からであれば、取り組みやすいはずです。旅行中は、最初から最後まで、「最大限サービスを利用し、サポートをしてほしい」とお考えの方もいるでしょう。高齢者家族との旅行のために、次のようなサービスも存在しているのでご紹介します。
■ヘルパー付きで旅を楽しむ
サポート内容は、旅の企画から請け負ってくれる時点からスタートします。車いすで移動しやすい施設の整った宿を手配することや、観光施設を探すこともお任せできるのも良い点。
旅先でトラベルサポートスタッフが同行する場合と、現地の観光地でのみ、サポートスタッフを依頼することができます。
様々なプランを利用することで、本人も家族も気兼ねなく楽しむことができるのが最大のメリットと言えるサービスです。
■高齢者や車いす利用の方への配慮がされてるツアーをご用意
日帰りで、高齢者家族を連れていきたいけど、なかなかプランが思い浮かばない...と言う方や、親子で旅行にいくという目的も達成しながら、他の方とも同時に交流し、また違った思い出が残せるかもしれません。
まとめ
高齢の親と旅行へ行く場合、若年の頃のように行動をすることは、困難である場合があります。とは言っても、諦めることはなく、しっかりと事前準備を行うことで、いくらでも親子旅行を楽しむことができます。ケアマネ―ジャーやかかりつけ医を始めとした、介護・医療のプロに相談し、アドバイスをもらいましょう。
「高齢の親と旅行へ行こう」と考えた、その時がタイミングです。コロナが落ち着こうとしている、今、プランをかんがえてみませんか?
記事内の参考サイト
(*1)“コロナが落ち着いたらやりたいことに関する意識調査”. auコマース&ライフ
https://www.au-cl.co.jp/press/20210802/
(*2)“UDタクシー(ユニバーサルデザインタクシー)導入促進事業”. 横浜市公式サイト
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/fukushi-kaigo/fukushi/annai/gaishutsu/sharyo/ud.html