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介護福祉士過去問 第33回 コミュニケーション技術
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第1問 信頼関係の形成
介護福祉職が利用者と信頼関係を形成するためのコミュニケーション技術として、最も適切なものを1つ選びなさい。
利用者の意見に賛成できなくても同意する。
「○○ちゃん」と親しみを込めてお互いを呼び合う。
介護福祉職からは質問をせずに受け身の姿勢で聞く。
介護福祉職の価値判断に従ってもらう。
介護福祉職自身の感情の動きも意識しながら関わる。
答え: 5
利用者とのコミュニケーションで大切なことは、一番の基本となるのが傾聴である。傾聴は受け入れ、くみ取ることで、同意することではない。利用者の思いを受け止め、くみ取ることと同意することとは異なる。賛成できない意見に安易に同意することは、信頼関係が崩れることにつながる可能性がある。利用者の意見を否定せず受け止めることが大切である。
「ちゃん」や「くん」という呼び方は、場合によっては親しみを感じる印象がありますが、利用者やその家族に対して失礼に受け取られる場合もある。「さん」というように、利用者の人権を守るため丁寧に呼び合うことが信頼関係を形成するためには必要である。
コミュニケーションにおいて、受け身の姿勢は大切であるが、受け身に徹して質問をしないことが正解ではない。質問することは、大切な情報を得る手段であり、その繰り返しによってより深くお互いを理解することで、信頼関係の形成につながる。
介護福祉職の価値判断に従ってもらうのではなく、利用者が自身の価値観や意思に基づいて判断できるように支援することが大切である。
介護福祉職自身は、自らの性格や感情、コミュニケーションを通して起こる感情の動きをなどを客観的に理解することが重要である。
第2問 初対面でのコミュニケーション
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Fさん(85歳、女性)は、中等度の認知症(dementia)がある。同居していた娘の支援を受けて生活してきたが、症状が進行してきたために、介護老人福祉施設への入所が決まった。
入所当日、介護福祉職はFさんの付き添いで来た娘に初めて会った。介護福祉職が、
「はじめまして。よろしくお願いします」と挨拶をすると、娘は少し緊張した様子で、「お願いします」とだけ答えた。娘は、介護福祉職の問いかけに応えるまで時間がかかり、また、あまり多くを語ることはなかった。
持参した荷物の整理を終えて帰宅するとき、娘が寂しそうに、「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた。
初対面の娘と関係を構築するために介護福祉職がとる対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
友人のような口調で話す。
相手のペースに合わせて、表情を確認しながら話す。
会話が途切れないように積極的に話す。
密接距離を確保してから話す。
スキンシップを用いながら話す。
答え:2
初対面のFさんの娘に友人のような口調で話す行為や密接距離をとったり、いきなりスキンシップを行うことは、相手に不快感を与えたり、警戒させる場合がある。コミュニケーションは丁寧な言葉使いで、一定の距離を保ち、Fさんの娘のペースー定の距離を保ってに合わせて話すことが大切である。
第3問 適切な言葉かけ
次の事例を読んで、答えなさい。
〔事例〕
Fさん(85歳、女性)は、中等度の認知症(dementia)がある。同居していた娘の支援を受けて生活してきたが、症状が進行してきたために、介護老人福祉施設への入所が決まった。
入所当日、介護福祉職はFさんの付き添いで来た娘に初めて会った。介護福祉職が、
「はじめまして。よろしくお願いします」と挨拶をすると、娘は少し緊張した様子で、「お願いします」とだけ答えた。娘は、介護福祉職の問いかけに応えるまで時間がかかり、また、あまり多くを語ることはなかった。
持参した荷物の整理を終えて帰宅するとき、娘が寂しそうに、「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた。
帰宅するときの娘の発言に対する、介護福祉職の共感的な言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
「心配しなくても大丈夫ですよ」
「私も寂しい気持ちは一緒です」
「元気を出して、お母さんの前では明るく笑顔でいましょう」
「お母さんに毎日会いに来てください」
「お母さんと離れて暮らすと寂しくなりますね」
答え:5
この問題のポイントは『共感的な言葉かけ』として適切なのはどれかである。
1.の「心配しなくても大丈夫ですよ」は「安心させるための言葉かけ」である。
2.の「私も寂しい気持ちは一緒です」は「介護福祉職の気持ちを伝えている言葉かけ」である。
3.の「元気を出して、お母さんの前では明るく笑顔でいましょう」は「励ます言葉かけ」である。
4.の「毎日会いに来てください」は状況の把握のできていない現時点での発言として適切ではない。
第4問 信頼関係の形成
Gさん(55歳、男性)は父親と二人で暮らしている。父親は週2回通所介護(デイサービス)を利用している。Gさんは、父親が夜に何度も起きるために睡眠不足となり、仕事でミスが続き退職を決意した。
ある日、Gさんが介護福祉職に、「今後の生活が不安だ。通所介護(デイサービス)の利用をやめたいと考えている」と話した。
Gさんが、「利用をやめたい」と言った背景にある理由を知るためのコミュニケーションとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
開かれた質問をする。
「はい」「いいえ」で答えられる質問をする。
介護福祉職のペースに合わせて話してもらう。
事実と異なることは、訂正しながら聞く。
相手が話したくないことは、推測して判断する。
答え:1
開かれた質問「オープンクエスチョン」とは、解答の範囲を限定せず、自由に答えてもらう質問である。Gさんに自由に話してもらうためには有効な
コミュニケーション法である。
それと対照となる「はい」「いいえ」で答えられる質問は、閉じられた質間「クローズドクエスチョン」という。特定の情報を効率よく収集する場合には有効であるが、今回のような理由や状況の情報を収集するには適していない。
コミュニケーションの基本は相手のペースに合わせることである。
事実と異なっていても、まず、否定も肯定もせずに最後まで聞くことが大切である。訂正しながら聞く行為により、相手が話す意欲を低下させる可能性がある。
相手が話したくないことと感じられる場合は、その事実をそのまま受け止め、推測で判断しない。
第5問 意向の調整
利用者と家族の意向が対立する場面で、介護福祉職が両者の意向を調整するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
両者が話し合いを始めるまで発言しない。
利用者に従うように家族を説得する。
利用者と家族のそれぞれの意見を聞く。
家族の介護負担の軽減を目的にして調整する。
他職種には相談せずに解決する。
答え:3
利用者と家族の話し合いにおいて、介護福祉職には、きっかけとなるような発言をすることが求められる。
介護福祉職の立場として、利用者と家族の意向が対立する場合は、利用者の意向を尊重することは大切であるが、どちらかの見方をしたり、どちらかの意向を無視するのではなく、中立の立場でそれぞれの意見をしっかり聞き支援することが大切である。
話し合いの目的は両者の意向を把握し、最善の方法に調整していくことが介護福祉職には求められる。家族の家族の介護負担軽減を目的のみに着目するものではない。
他職種の専門職としての意見も聴きながら解決していく姿勢も介護福祉職に求められる。
第6問 運動性失語症
運動性失語症(motoraphasia)のある人とコミュニケーションを図るときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
絵や写真を使って反応を引き出す。
大きな声で1音ずつ区切って話す。
手話を使うようにする。
五十音表でひらがなを指してもらう。
閉ざされた質問は控える。
答え:1
高次脳機能障害と呼ばれる認知機能に関する障害の一つで、失語症には感覚性と運動性がある。感覚性は話はできるが単語が理解できない。運動性は、言語理解はできるが、発語が困難な失語症である。
発語が困難であることを前提に適切なコミュニケーションの方法は、絵や写真を使ったり、短く、わかりやすい言葉でゆっくりと話すことがポイントである。
2と3は、聴覚に障害があるときに有効である。
4は運動性失語症のある人は、読み書きが困難なため、ひらがなや五十音表でのコミユニケーションは有効ではない。
5の閉じられた質問(クローズドクエスチョン)は、「はい」「いいえ」で答えるられるため、有効なコミュニケーション手段である。
失語症に関する詳細解説
http://www.keiju.co.jp/manage/files/sinryo/rehabilitation/st/st_p1.pdf
第7問 介護記録
介護記録を書くときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
数日後に書く。
客観的事実と主観的情報は区別せずに書く。
他から得た情報は情報源も書く。
利用者の気持ちだけを推測して書く。
介護福祉職の意見を中心に書く。
答え:3
介護記録は、正確に書くことが大切なため、数日後ではなく記憶が鮮明なうちに書くことが求められる。
客観的事実と主観的情報は区別して書く。
利用者の気持ちだけを推測して書くことは、事実をありのまま書く記録にはならない。
記録には利用者に対しての客観的事実を中心に書き、介護福祉職の意見中心ではない。
第8問 報告の聞き手の留意点
報告者と聞き手の理解の相違をなくすための聞き手の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
受け身の姿勢で聞く。
腕組みをしながら聞く。
同調しながら聞く。
不明な点を確認しながら聞く。
ほかの業務をしながら聞く。
答え:4
コミュニケーションは状況や相手に応じて対応が異なる。今回は報告を聞く立場として、報告の内容を正確に把握することが必要である。
そのためには、受け身の姿勢ではなく、積極的な姿勢が必要である。必要な情報に対して不明な点を明らかにするために、質問するなど理解を深めることが大切である。
腕組みをしながら聞く姿勢は、報告を聞く場面ではふさわしくない。
また、同調しながら聞くことは、客観的に事実をとらえにくくし、報告者に誘導されやすくなるため、不適切である。
ほかの業務をしながら報告を聞くこともまた、報告に集中できず、報告者との間に理解の相違が生じる可能性があるため不適切である。
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