見出し画像

アーニャがね、よく言うんですよ。危ない目に遭っても、ははが助けてくれるから大丈夫だって。あの子が笑顔ではしゃいでいられるのは、ヨルさんが安全基地になっているから32

 「自分の娘をつかまえて言うのもなんだが、ひたぎは重すぎる子だと思うよ。」

 …うん…

 「情けない話だが‥私は、ひたぎを支えきれなかった。だから、あんな楽しそうなひたぎは、久しぶりに見たよ。」

 「‥いつもあんな調子ですよ。僕を凹ますためだけに、お父さんを連れ出したんじゃないかとさえ思います。」



 「‥ひたぎのような心を閉ざした人間が、言いたいことを言える対象はー2種類だけだ。嫌われても構わない相手。もう一つは、嫌われる心配のない相手ーだ。」

 「‥はぁ。」

 「ひたぎの病気が治ったのも、君が一役、買ってくれたと聞いているが。」

 「いえ‥それはたまたま僕だっただけで‥別に。ひたぎさんは、一人で助かっただけで‥僕はそこにたまたま立ち会っただけというか‥。」

 「それで‥いいんだよ。必要な時、そこに居てくれたという事実は、ただそれだけのことで‥何にも増してありがたいものだ。僕はその役目を果たせかった父親だ。私は。ひたぎにとって、嫌われてもいい人間ーだからね。」



 …本当は、踏み込むべき場所ではーないのだろう…

 「僕は、そうは思いません。私はもう大丈夫だよーって、私のことはもう心配いらないからーって、僕には聞こえてたっていうか‥」

 …僕にも、ようやくーわかってきた。なぜ一番最初のデートに、父親を連れてきたのか…


 …「一番最初に見せたかったーじゃないわ。見て欲しかったのよ。それとこれとじゃ、全然違うじゃない。」…

 「たぶん‥一番ひたぎさんのことを大切に見てきたのはーお父さんだから。誰よりも一番最初にー元気になった姿を見て欲しかったんだと思います。」


 『化物語』戦場ヶ原ひたぎの父と、阿良々木暦の会話です。




  ★認知能力:IQ・学力・記憶力等

  ☆非認知能力:気付く力・やり抜く力・人と関わる力等



  ★25~50%持続する

  ☆70~90%持続する


 「親の時間投資」により獲得した3歳時点での「認知能力」「非認知能力」が、7歳時点でどの程度持続されているのかを現した数字です。

 ★が「認知能力」☆が「非認知能力」です。


 驚くべき事に、3歳時点で主に母親の「体験への時間投資」により獲得された子どもの「非認知能力」は、7歳時点で70~90%も持続するのです。

 子どもの「非認知能力」を高めたいのであれば、子どもと一緒に、様々な場所に出掛け、親自身も子どもと一緒に学びながら、楽しむ事をお勧めします。




 これまでの研究では、母親の「時間投資」が主な研究対象でしたが、アメリカを始め、徐々に父親を対象にした研究の成果も出てきています。

 父親と母親の違いに着目してみましょう。


 「母親の時間投資」は、子どもが幼少期の方が効果が大きく、その後、急速に小さくなっていきます。

 「父親の時間投資」は、子どもが幼少期の時は母親程大きくありません。

 しかし「父親の時間投資」の効果は、子どもが年齢を重ねていっても、低下が緩やかでした。


  ♦「父親の時間投資」の効果は、子どもの年齢と関係がない


 つまり、父親が子どもと一緒に過ごす時間は、子どもの年齢が上がっても、子どもの「認知能力」「非認知能力」に、ポジティブな影響を与え続けます。

 この事を頭の片隅に入れながら、母親・父親が、協力し合いながら、子育てをしてみる事も「科学的根拠に基づいた子育て」と言えるでしょう。






  1位:子育てに対する経済的な負担:55,6%

  2位:自分の自由な時間が持てない:46,0%


 内閣官房の調査による「子育てをしていて負担に思う事」の1位と2位です。



 親が十分な「時間投資」が出来ない時に、まず頼る存在が、祖父母でしょう。

ここから先は

1,030字

¥ 199

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?