超戦国時代ー二千年後の君へ5
「一騎当千の猛者か。確かに、居るよね。清国の昔話に出てくる一人で、本当に千人を倒す様な化物じゃなくて、その者が現れると、味方千人が奮い立ち、敵方千人が恐れ慄く‥そういう意味での一騎当千。」
「例えば、新選組の近藤局長・土方副長。長州の高杉晋作。薩摩の西郷隆盛。」
『るろうに剣心ー北海道編ー』永倉新八の言葉です。
これまでの人類史においては、中世以降の世界の中心は、ヨーロッパとされてきていました。
しかし、近年の研究において、この常識は、覆えようとしています。
戦国時代においては、日本こそが、世界史の最前線であったのです。
そして、日本が世界史の最前線となる事に、私達のよく知る、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の三英傑が、深く関わっている事が、わかってきました。
どの時代でも、その時代の流れを変えたり、加速させたりするのは、異端の者です。
戦国時代の日本において、その異端の者とは、宣教師でした。
学校教育の日本史においては、ザビエルを記憶させられる程度でしたが、実は、宣教師の存在こそが、戦国時代の流れを変え、加速させていたのです。
★1575年:長篠の戦い
信長・家康の連合軍が、武田勝頼率いる武田軍を破った戦です。
信長が鉄砲を組織的に使用し、戦国最強の騎馬隊である武田軍を壊滅させた戦として描かれたきた長篠の戦いですが、実際の戦の内容は、異なります。
実際は、鉄砲VS騎馬の戦いではなく、鉄砲VS鉄砲の戦いだったのです。
長篠の戦いの舞台である愛知県新城市設楽原を発掘調査すると、織田・徳川軍、武田軍、それぞれの鉄砲玉が見つかります。
そこで、鉄砲玉に使われていた原材料を、科学調査しました。
すると、下記のような違いが見つかりました。
★織田軍:鉛
☆武田軍:銅
織田軍と武田軍では、鉄砲玉に使っていた原材料が、異なっていたのです。
武田家の古文書からは、銅で出来た賽銭を粉砕し、鉄砲玉の成分としていたと記された文章も出てきています。
しかし、銅を原材料として鉄砲玉を作ると、実践において、暴発が起こりやすい事がわかっています。
つまり、実践において、敵を仕留める為として、鉄砲が機能しない可能性が高かったのです。
これに対し、鉛は、暴発がしにくい為、実践において、敵を仕留める為として、鉄砲が機能する可能性が高いです。
そして、驚くべき事に、織田軍が使用していた鉛の原産地は、日本産のものではなく、外国産のものだったのです。
ここから先は
¥ 199
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?