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スタートアップ代表を救った、ゲスト様(認知症高齢者)のやさしさ
ザ・ハーモニーの創業者兼代表の和也が
介護事業所を起業して4年目の頃、
とあるゲスト様に救われた2つのエピソードです。
(※ザ・ハーモニーでは利用者様のことを『ゲスト様』とお呼びします)
息子様のお名前も、ご自身のお名前もわからない。
そんなバリバリの認知症高齢者の方が僕にくれたやさしさは、僕を叱咤激励し、原点回帰してくれました。
episode 1. 〜 そんな顔せんで、笑いよきなさい 〜
そのゲスト様は、95歳くらいの方で、「もうすぐ子供とお父さんが帰ってくるけん、ご飯の用意せな怒られるけん、帰ります」と言われるようなご自身が若かった頃の記憶にタイムスリップされるような認知症をお持ちの方でした。
僕が介護士として現場にも入り、経理なども全てやっていた頃の話です。
僕は夜勤にもよく入っていて、夜勤をしながら経理業務をやることが多くありました。
その日も夜勤中に書類業務をしていて、そのゲスト様は、寝付けなくて僕の隣に座っていたんです。これは、普段からよくあるシチュエーションでした。
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ゲスト様「ねぇあんた!」
僕「なんですか?!😕」
急な声かけに驚いていると
ゲスト様「あんたがね、そんな顔して仕事しよったらね、ここにきよう人とかね、みんながそんな顔になるよ。」
僕「え?はい?!😯」
ゲスト様「あんたがね、ここで一番頑張りようことは、私たちも働きよる人たちもみんなしっちょう(知っている)、やけんあんたはそんな顔せんで笑いよきなさい。」
僕「はい?!〇〇さん?🥺」
認知症のこのゲスト様が急にこんなことをおっしゃるとは思ってもみずあっけに取られていると
ゲスト様「帰らないかんけん。」
いつものゲスト様に戻られ、部屋へ帰って行かれました。
その日、僕は、業務に追われていたのか、きっと険しい顔で書類業務をしていたのでしょう。
私たちがいつもゲスト様を見守っていると思っていましたが、ゲスト様も私たちのことを見守ってくれているとハッとさせられた瞬間でした。
episode 2. 〜 3人で寝ましょう。 〜
また似た話になるのですが、
昔、僕はよくミーティングの中で理解できないことに関して相手を詰めちゃうことがあって、当時はミーティングという名のバトルをよくメンバーとしていました。
この日も夜遅くまでメンバーとバトルをしてて、ゲスト様もそれに気付かれたのでしょう。
僕たちのところに来て、僕たちの肩を叩きながら、
ゲスト様「もうね、一生懸命働きよったらね、うまくいかんこととかね、いっぱいあるから。
とりあえず、もう今日は遅いから、3人で寝ましょう! 寝て、明日の朝、話しましょう。」
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この話を思い出すと涙が出そうになるのですが、
ほんとにいろんな方に支えられて今の僕や会社があるんだなぁと感じます。
ゲスト様(認知症高齢者)のやさしさに救われた
当時、目の前のやらなきゃいけないことばかりに気が取られ、なんで出来ないんだと苛立ち、リーダーらしい行動が取れていませんでした。
しかし、ゲスト様の一言で、いっぱいいっぱいで、ギリギリになっていた自分自身の気持ちに気付くことができ、スッーと楽になりました。
一歩引いて、俯瞰し客観的に自分を見つめ直す機会になり(ただ、今でもちゃんとできている訳ではありませんが 笑)、目の前のことに精一杯になり過ぎて、自分だけががんばっていると勘違いしていたことに気付かされました。
貴女のやさしさに、僕は救われました。
そして今でも、僕を支えてくれています。
今回のエピソードを「ふらっとチャット」というPotcastでも話しています。
他のエピソードなども話しているので、ぜひご視聴ください。