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父は旅行に行けるのか?

アリス学園 研修センターの寺西由美子です。

突然、父が言い出しました。
「旅行に行きたい」

コロナ禍と自身の不調で、ずっと遠出を控えてきましたが、
もともと旅行好きの父我慢の限界がきたらしいのです。

父の足腰の痛みが歩くのに支障があるほどだと
私が知ったのは、2020年の夏。

新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言を経ての
Gotoトラベルキャンペーン中。
両親と温泉旅行にでかけ、のんびり楽しく過ごした帰りに
立ち寄った大型スーパーで
「ここで待ってる」
そういって、お店の入り口の椅子に座り込んだ
ときでした。

脊柱管狭窄症。
そうなるまでかなり我慢していたらしく、
そこからはまさに転がるように早い展開でした。

秋には自宅の階段を降りることが難しくなって
寝室を2階から1階に。
冬には要支援の認定を受け
玄関やトイレなどの手すり設置と段差解消リフォーム。
2021年春、車を手放し運転免許返納。
このころは、家の廊下も車いすで移動なんてことも
多くなっていました。
2021年夏、いよいよ症状が悪化し、手術。

手術後のこの1年は、
機能訓練専門のデイサービスに週2回通いながら
調子がいい日とそうでない日を
行ったり来たりしています。

そんな父が、言い出しました。
「旅行に行きたい。行かせてくれ。いや、行くぞ。」

自分の荷物は自分で持てるの?
途中で歩けなくなったらどうするの?
雨が降ったら、杖ついて傘さして歩ける?
一緒に行く母の負担が大き過ぎない?
紅葉目当て? 近所の山じゃダメなの?

「行くな」とは言いたくないけれど
やはりいろいろ心配で
否定的な言葉がでてしまいます。

「お弁当持ってドライブ行こうよ!!」
「近くの温泉に泊まるのは?」

そんな私の誘いにはのってくれません。

父がいう「旅行」はどうもそういうことではないらしいのです。

世の中には、「介護旅行」という
ヘルパーさんが旅行に同行してくれるというサービスもあるようです。
今の父はそこまでに身体介護が必要なわけではないし、
「介護」というサービス名がついているだけで、
「そんなものいらん」と父は一蹴するでしょう。
そもそもかなりの高額商品。
介護保険の対象ではないし、
同行されるヘルパーさんの旅費も含まれていますから
高額になるのは当たり前ですね。

もっとお手軽な、
常に身体介護が必要なわけではないけれど
その日の調子に左右されたり
体力に不安がある高齢者向けの
「いざというときの支援つき♡
安心見守りつきバスツアー」のようなものがあるといいのに。

少々緩めのタイムスケジュール、
元気だったら歩いて散策、
でもちょっと疲れたら車いすも貸し出しますよ的な。

家族会議の結果、
父の「旅行」は今週末、敢行されることとなりました。
気になる天気予報は、晴れ。
この旅行で、父の心も晴れますように。

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