関節の種類と動きの秘密 – 臨床で役立つポイントを解説
授業で覚えた関節の種類ですが、それぞれ動きを覚えていると実際の臨床で全然違う結果になります。
例えば可動域訓練、骨の歪み矯正、針を打つ部位など知れば知る程、面白いですよ〜。
ではそれぞれ見ていきましょう。
・車軸閱節
・蝶番閱節
・ラセン関節
・楕円関節
・鞍関節
・顆状関節
・球関節
・平面関節
・椎間関節
車軸関節は、一つの骨が棒(軸)のようになり、その周りを回る動きができる関節です。この関節は、回る動きだけができるのが特徴です。
例として、上橈尺関節(じょうとうしゃくかんせつ)は、前腕を回すことができる部分です。もう一つの例は、環軸関節(かんじくかんせつ)で、これは首を回す動きをしています。
環軸関節は、第1頚椎と第2頚椎という首の骨同士の関節です。第2頚椎にある「歯突起」という突き出た部分を軸にして、第1頚椎がその周りを回ることで、首を回すことができるのです
【一言コラム】
輪状靭帯から橈骨頭がズレてる状態が肘内障です。
肘内障(ちゅうないしょう)は、小さい子どもによく起こるケガです。腕を引っ張ったときに、肘の中にある骨(橈骨頭という部分)がずれてしまう状態です。骨がまだしっかりしていないため、簡単にずれてしまうことがあります。このときは、骨を元に戻す「整復(せいふく)」という治療が必要です。
整復のやり方は、まず、ずれた骨に指を当てて、腕を内側に回しながら肘を曲げます。それでも戻らないときは、肘を伸ばして腕を外側に回しながら、もう一度肘を曲げます。
ちなみに、筆者が初めて治療をやったときはうまくいかず、少し焦りました(・_・;)。でも、先輩がすぐに骨を戻してくれて、助かりました。いい思い出です(笑)
2. 蝶番関節(ちょうばんかんせつ / Hinge Joint)
扉の蝶番(ちょうつがい)のように、一つの方向にしか動かない関節があります。この関節は、曲げる(屈曲)か伸ばす(伸展)動きだけができます。
例として、肘(ひじ)がこのタイプの関節です。
3. ラセン関節(らせんかんせつ / Helical Joint)
ねじれを含んだ回る動きをする関節があります。この関節は、車軸関節と蝶番(ちょうつがい)関節の両方の特徴を持っています。
部位: 明確な分類としては下記の3つの関節です。
腕尺関節
膝関節(脛骨大腿関節)
距腿関節
【一言コラム】
膝関節(ひざかんせつ)には、「スクリューホームムーブメント」という特別な動きがあります。これは、膝をまっすぐに伸ばすときに、すねの骨(脛骨)が太ももの骨(大腿骨)に対して少し外側に回る動きです。膝のリハビリなどで膝を動かす練習をするとき、この動きを覚えておくと役に立ちます。
4. 楕円関節(だえんかんせつ / Ellipsoid Joint)
この関節は、楕円(だえん)の形をしていて、前後や左右に動かせるけれど、ぐるぐる回すことはできません。
例として、手首の関節(橈骨手根関節)があります。
5. 鞍関節(あんかんせつ / Saddle Joint)
この関節は、馬の鞍(くら)みたいな形をした2つの部分がくっついています。これにより、前後や左右に動かすことができるけれど、ぐるぐる回すことはできません。
例えば、親指の付け根にある関節(母指の手根中手関節)がこのタイプの関節です。
6. 顆状関節(かじょうかんせつ / Condyloid Joint)
この関節は、楕円(だえん)に似た形をしていて、2つの方向に動かせます。つまり、曲げたり伸ばしたり、外側に動かしたり内側に動かしたりできます。
例えば、指の付け根にある関節(基節関節)がこのタイプの関節です。
7. 球関節(きゅうかんせつ / Ball-and-Socket Joint)
球状の骨頭がカップ状のくぼみにはまり込み、全方向に自由な動きができる。
股関節(こかんせつ)や肩関節(かたかんせつ)。
8. 平面関節(へいめんかんせつ / Plane Joint)
平坦な関節面同士が滑るように動く。非常に小さな動きが可能。
椎間関節(ついかんかんせつ、背骨の間の関節)や手根骨(しゅこんこつ、手首の骨)の間。
椎間関節に針をして可動域を変える方法があります。かなり効果的な手技ですね。
これらの関節は、体の異なる部位で多様な動きを可能にしています。
動きをイメージしながら体の調整をしてみて下さい。
お役に立てれば嬉しいです✨