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【Weekly Report】 Vol.2(241209-15) 遊びから生まれるもの

写真は、今週開催した活版ワークショップの一場面。


🍵近況


今週は、島田市抜里(ぬくり)で取材をしました。抜里は大井川中流にあり、お茶の栽培が盛んなエリアです。

アーツカウンシルしずおかのお仕事で、空き家活用や地域振興に携わる事業者に向け、アート×空き家の有用性を伝えるためのロジックや手段を検討するワーキンググループの活動をまとめるというもの。

詳細は年度末に完成する報告書にゆずるとして、取材が行われたのは「ヌクリハウス」と呼ばれるアトリエ&ゲストハウスで、抜里地区周辺で行われるアートイベント「UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川」を機に誕生しました。それもあって、一般のお客様だけでなく、アーティストが滞在しながら作品を作ることも多いそう。

リノベーションした空間は明るく気持ち良く、襖には漫画が描かれたり、床の間にアート作品が置かれていたり、美術館とは違うアートとの出会いが面白かった。こんな感じながら、自分の家にもアート作品を置けそうと、親近感も沸いたし。

襖の漫画は、アーティスト・内田慎之介さんの作品 『NUKURI HEROES』。
床の間には、バラ模様の毛布を使った江頭誠さんの作品が置かれている。

龍崎翔子さんが「ホテルはメディアである」と言っているけれど、果たしてその通りで、ヌクリハウスもアートや地域の情報を発信する装置としてちゃんと機能していました。どうせ泊まるなら、メディアな宿泊施設の方が楽しいし、その地に立ち寄ったいい思い出にもなるし、誰かに話したくなるし。

敷衍すれば、宿泊施設だけでなく、仕事場だってメディアで、棚に並んでいる本やインテリアの一つひとつが、主人の思いや考えを伝える要素と言えるわけで。今年引っ越しした新しい事務所は本棚さえまだ置けてないので(クオリティチェックがあるため)、早く自分たちの色に染められる空間にしないと、と他人様の空間を見て少し焦った年末でした。

🔖活版ワークショップ


今回はテキンではなく、くるくるレタープレスを使いました。

樹脂版にインクをつけて、紙を乗せ、くるくるとハンドルを回して機械に通すと、簡単に凸版印刷できるというもの。

樹脂版にインキを塗る
くるくるーってすると印刷できる。間の紙を調整することで凹みを調整できる。
名刺サイズだけでなくA4サイズもいける、くるくるレタープレスJUMBOも

当初はクリスマスカードを作ろうという内容だったけど、参加された皆さんが普段からもの作りをされている方たちとあって、空押しした紙にインキを乗せ文字を浮かび上がらせたり、大きな紙に同じ版を何回も印刷して包装紙みたいにしたりと、自由な発想で、いい意味でやりたい放題(笑)。

紙とインキと道具があるだけで、こんなにも参加者の創造性を刺激するんだと、とても発見がありました。作例通りに作るのではなくて、どこまで遊べるかがワークショップの本質なんだなと気付かされたのでした。

📚今週の一冊


あのほぼ日は、糸井重里氏がインターネットに出会い、49歳の誕生日にMacを買ったことから始まったという話を聞いて、そんな年齢でも(失礼💦)新しいことを始められるんだと驚き、どんな思いでほぼ日を運営していたのか知りたくて購入。

まだ1章しか読めてないけど、糸井氏のもんもんとした部分も赤裸々に書かれていて引き込まれる。続きが楽しみ。


人間とは「ホモ・ルーデンス=遊ぶ人」と言ったのは、オランダの歴史家であるヨハン・ホイジンガ。いわく、文化から遊びが生まれたのではなく、遊んでいるうちに文化が生まれたとのこと。

活版のワークショップでの遊びは、何か生まれてきそうなワクワクにあふれていました。今の事務所は、そんな遊びから何かが生まれる場所にしたいなと思った今週でした。


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