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おかえり!物語中毒者の夏

今日は一日中エアコンをつけずに窓を開けて過ごしている。いきなりの秋に戸惑う。

ちびちびと読み進めているアレン・カーズワイルの『驚異の発明家の形見函』。オークションで手にした形見函の持ち主の生涯が語り手によって綴られていく物語。メメントホミーネムって初めて知った概念。自分の一生を詰めた函。死を目の前にして詰めていくんだろうか……。それほどまでに詰めたい物とは一体……。

十ある仕切りそれぞれに収められているのは、広口壜、鸚鵡貝、編笠茸、木偶人形、金言、胸赤鶸、時計、鈴、釦、そして最後のひとつは空のまま。それら"形見"の品々が、黙したまま雄弁にわたしに語りはじめる、その男クロード・パージュの奇想天外な物語とは?

アレンカーズワイル『驚異の発明家の形見函』上

クロード少年期、宦官の手術の話が差し込まれて不穏だなと思っていたら、最悪な外科医によって中指と薬指の間にある黒子取りの手術を失敗されて指が一本なくなる……。

はい、休憩。ミスドを食べる。かわいいかわいいフレンチクルーラー。耳のところにホイップクリームがはいってた。うれしい。

ハッピーハロウィン🎃!!


この夏は、何を読んだっけ。漫画が多かったかも。

『鎌倉ものがたり』の最新刊。人間と魔物が共存している世界。ファンタジーなのかミステリーなのか日常譚なのかSFなのかまとめることができない不思議な空気が昔から大好き。好きの根っこの部分にあるから、読むと実家って感じがする。私の実家。

『ヴァニタスの手記』。3巻までは初版で買ってたんだけど、社会人になってから手付かずになっており……。全巻買って一気に読んだ。面白かった〜!絵がとにかく美しくって、謎が深くって、どんどん引き込まれる……。ラストは一話目で明かされており、そのラストに至るまでを読者は見守っていくスタイルなのだけど……。『Pandora Hearts』を経験してるぶん、誰の闇落ちがきても受け止めてやるぞ〜!誰のことも信用しないぞ〜!と思いながらも、読み進めてるとみんなのことが大好きになっちゃうから困ったもんだな。ドミが愛おしすぎる……。はあ……。私は一番ドミに幸せになってほしいよ……。ノエは本当に大バカ者だねえ……。
アニメの一話目を観たらノエの先生(倫理観ヤバおじ)が石田彰で合いすぎて笑っちゃった。

『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』。中学生ぶりに再読。今の方が理解できるし、理解できるからこそ苦しくなる。「生きてる大人はみんな生き残った子ども」なんだよね。そうなんだよね。
とあるニュース番組で3年前くらいに「"親ガチャ"って言葉は甘えだよ、よくない」「そうだそうだー」ってやってて、いくら解説の人が「恵まれない子も中にはいて……」って言っても聞く耳を持たなくて、すんごいモヤモヤしてたんだけど、そういうことだよなって合点がいったのだった。芸能人の父がいて華やかに着飾って恵まれているように見える海野藻屑。片親で高額商品をポチる引きこもりの兄がいて一刻も早く自衛隊に入ってお金を稼ぎたい山田なぎさ。藻屑を疎ましく思うなぎさが少しずつ少しずつ、そうは思えなくなっていく、その過程が微笑ましいと同時に苦しい。ネタバレになってしまうから書けないけれど、締めくくりが完璧すぎて、完璧だからこそ胸が痛くなる。……ひとつだけ引っかかってることがあって、花名島ってなんで花名島って名前なんだろう。島だからギリ海関連の名前なのか……?

『私にふさわしいホテル』。わ〜!!「Y2K新書」の架空の物語を意気揚々と語る柚木さんがいる!!主人公が柚木さんの分身としか思えない!!ノリとテンポが海外ドラマ!!石田衣良先生のあとがきも含めて楽しかった〜!!作中に朝井リョウが朝井リョウとして出てくるのウケた。柚木さんがY2K新書で「私は忘れてないからね」って大きなノッポの古柚木繰り出すの大好きなんだけど、私も窪美澄さんが「デビュー同期の朝井リョウと柚木麻子は猜疑心で結ばれた3人」ってテレビで言ってたの忘れてないし、ずっと覚えてるし、覚えててよかった〜って思った("猜疑心"ってワードが物語で頻出する)。
のんちゃん主演で映画化らしい。冬公開。なんと堤監督(SPEC大好き)!!楽しみが増えた〜!!

『ドロヘドロ』再読。千早茜さんが『ドロヘドロ』を読んでどうやらハマったらしい。私は読んでるときはきのこ食べたくなくなるんだけど、食べたくなる人もいるんだな〜。二階堂のまかない蓮根バーグ作ってるのを見たら堪らず読みたくなって読み返した。毎度大円団でグッとくる。二階堂と能井ちゃんが好き。あれ?もしかして私って強くてグラマラスな女の子が好きなのか……?

私も作ってみた蓮根バーグ。アレンジ版。
(蜜柑は酢橘みたいに使う用のやつです🍊)


『いつか、アジアの街角で』。中島京子、桜庭一樹、島本理生、大島真寿美、宮下奈都、角田光代。錚々たる顔ぶれのアジアにまつわる短編集。すっっっごくよかった。でも上手く言葉にできない。誰かと話したい。異国文化との出会い、日常にあるアジア飯(モチーフとしてのアジア)……。

大島真寿美さんの「チャーチャーテン」。「茶餐廳」という香港式のカジュアルレストランのことを指していた。鴛鴦茶(ユンヨンチャー)という「コーヒーと紅茶が合体した飲み物」が気になって気になって……。飯田橋まで行ってみた。

角を曲がると現れる異国情緒。
鴛鴦茶(コーヒーミルクティー)とチャーシューローストポークライス

鴛鴦茶、不思議なお味だった。一口目はコーヒーで、でも紅茶がいて、甘い!砂糖甘いっていうもの違っていて、まろやかな甘さ。不思議だなー不思議な味だなーと思いながら飲み干した。チャーシューローストポークライスも美味しかった!次はケリーが食べてた凍檸檬茶(ドンリンモンチャ)と蛋三文治(ダンサーンマンジー)を食べるぞ〜!檸檬の輪切りが入った紅茶と卵サンドイッチらしい。

桜庭一樹の「月下老人」には東京媽祖廟らしき場所が出てきたから、こちらも聖地巡礼したい。「世界ふしぎ発見!」で媽祖祭を見てから媽祖様が気になってる(まそ様と読みます)。媽祖祭の御神輿はいつ出発してどの道を通るかは担がれてる媽祖様次第で、先の読めない大移動なんだって。

他にも読んだ本はいろいろあるんだけど……。『わるたべ』の最新刊、『虎のたましい人魚の涙』、『うずまき』からの『夢中さ、きみに。』(再読)……。

映画も観たんだけど……。『違国日記』と『ルックバック』と『デデデデ』……。(……ということは漫画たちも読み返している。『デデデデ』は『デデデデ』の先の世界の分岐点にいて鳥肌立ったね……)

ドラマのことも(虎翼)、アニメのことも(となりの妖怪さん、烏は主を選ばない)書きたいけれど、久しぶりに書いたらヨボヨボ。力尽きた。

スマホをできる限りつまらない箱に変えたら、読書が捗るようになった。(わーい!)

通知消して脳への報酬シャットダウンして、SNS開く癖(双方向)を勉強アプリを開く癖(どちらかというと一方向より)に変えて……(双方向より一方向のほうが刺激が少なくていいらしい)。ああ、ここまでくるのに一年かかった……。長かった。やっと脳みそに空きができてきた気がする。この調子で自分のやりたいことに時間を使っていきたいな〜。

ここ最近はクリープハイプのトリビュートを聴いていて、特にindigoとマイヘアがお気に入り。


書きたいままに書いちゃったから(いや、いつものことなんだけど……)お手柔らかに〜、どうか〜、なにとぞ〜、お手柔らかに〜って唱えてる。

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