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8月

2022/08/01
カメラマンと被写体のお互いの、リアルを撮りたいって議題についてが、わたしの中で錯綜している。被写体に触れ、より恋人らしさみたいな写真を撮ることを好む人、それを嫌い、アンチテーゼのように自分を排除する人。正解も不正解もないから写真が好きだ。上手いも下手もどうだっていい。

2022/08/02
悔しくて仕方ないけど、反撃する元気がない。

2022/08/03
酔っ払って30分、恵比寿から帰った。
行ってみたい居酒屋が店じまいをしている。
暑くて熱帯夜、このまま歩き続けていたら、きっと死んでしまう。
誰かにひどく愛されたい。

2022/08/04
簡単に軽率に何にでも恋をしたい。
明日は初めてフグを食べに行く。

2022/08/05
フグを食べた。フグは味があまりしなかったけど、一緒に食べた人たちのハッピーでサイコーの夜になった。

2022/08/06
未完の美しさみたいなものに魅せられるようになれば、人生はずっと生きやすく豊かだと思うけれど、そう簡単じゃないのね。

2022/08/07
好きだと言ってもらわないと好きになれないなんてずるい。ずるいし、可哀想です。 

2022/08/08
「フルーツに例えるなら、ザクロだね。おしゃれなイメージもあって、なかなか買えないしあんまり食べる機会はないけど、サラダやお酒とかにも登場してたまに主役を食うような存在感がある。あと、ザクロには色気があるね。そういうところが、あなたにぴったりだと思う。」
そんな褒められ方をしたら、好きになってしまう、嫉妬してしまう。

2022/08/09
涙腺が馬鹿になっている、頑張れると頑張れないの後者よりのところで停滞している。
人の作ったご飯が食べたい。
あの人だったら何を考えるか、みたいな思考回路で困難を乗り切ることが良くある。ある種ものすごく人に依存して生きている。

2022/08/10
自分のビジョンに合わせて頑張らないと、頑張りにムラができる。
モチベーションで仕事をしない、なんてわたしには難しすぎる。

2022/08/11
欲しがったら貰えるならいくらでも欲しがったほうがいい。プライドは捨てて何より泥臭く欲しがることが大事なんだろうと思っている。仕事もプライベートも、多分そう。

2022/08/12
時差でくるタイプの二日酔いになった。朝まで飲んでいたから当たり前なのか。
お盆に入った。

2022/08/14
実家はいい、炊き立てのご飯が食べられる。
お味噌汁とご飯の幸せを、噛み締めながら緑のしげる実家で過ごす。
仕事のことや、少しだけ東京の恋を思い出したりしながら。

2022/08/15
お前がいないと寂しいよと母親に言われながら後にした実家、歯を食いしばるしかない。きっと、悲しいことにわたしの魂はもう半分以上とうきょうにある。

2022/08/16
お盆の撮影は今日だけ入れた、あまり好きじゃないなと思った展示会で唯一最高だなと思ったカメラマンとの撮影だった。
写真や表現に正解はない、本当にありがたい。
ここで息をすることが会社員のわたしを生かしている。

わたしは何足ものわらじを用意して生きている。
まだそれで大丈夫なはずだ、大丈夫にして見せる。
わたしに特別な才能やカリスマ性などはないし、いつか誰かが見つけてくれたり認めてくれる期待に溺れてもいない。明日からの社会復帰も、だましだましやっていくしかない。大丈夫だ。
モチベーションで仕事をしないなんて無理だし、
期待しないで仕事をするのも、わたしには難しい。報われる瞬間を心待ちにして毎日感情のアップダウンと戦いながら出社している。
だから、そういう心底の強いうごめきをなだめながら、向き合うしかない。

2022/08/17
今日みたいな涼しい日なら、夏をやってやってもいい。

2022/08/18
お盆期間で作り上げたわたしの中のヘルシーは、会社に来てものの2日で腐ってしまった。夏の野菜と同じです。
辞めるなんて言い出しても100%全力で止めるから、そんなことは考えずに突っ走ってね、と言われた。

2022/08/19
どうしても酒を飲みたくて、ビールを飲んだ。
案の定終電を逃して歩いて帰った。
1時間近く歩いて帰る時の、あの、感じ。熱帯夜ではないが外をずっと歩いていると肌がなんとなくベタベタする。頭からシャワーを浴びたい気持ちになる。
酔いが回りながら思考がゆっくり覚めていく。
真っ暗な住宅街をあるく、少し怖い。チラホラ人間がいる。

2022/08/21
酔いながらひとと一緒に読書をした。
酔っ払って誰かと映画や写真を見たことはあるけど、各々で本を読んだのは初めてだった。
わたしの好きな歌人のページを見せて、その人が好きだと言った短歌は
「油断してうしろからしてしまいたり 顔を見ようと思ってたのに」
男性目線の短歌だなと思った。でもほろ酔いで一緒に活字に溺れることができて嬉しかった、他では味わえない、妙な興奮があった。

2022/08/23
初デートのご飯屋さんに正解などないですが、とても美味しいお蕎麦やさん、とか連れて行かれたら即恋に落ちてしまう自信がある。
蕎麦という品のあるチョイスと、お店の雰囲気も全て完璧な予感しかしない、たとえ美味しくなくっても、こんなお店を選ぶなんてお茶目で可愛いな、思い出ができたな、と思ってしまう。つまりはわたしは蕎麦が、好きです。

2022/08/24
社会人になってどんどんビジネスマンみたいな言語が身についてしまい、旧友と話すときに「どういう意味?」という顔されて初めて気がつく。全然違う国の共通言語をたくさん習得してしまっている。
温度感高い、パツる、工数足りてない、アグリー、コンセンサス、シュリンク、トップライン
まだわたしはみんなとの共通言語をしっかり保てているか、心配になる。

2022/08/25
「わたし人の5倍は母性あるからさ」
話す言葉の全てが映画みたいな友人がいる。
もしかしたらわたしがその人を好きすぎてそう聞こえるだけかもしれない。
昔確か人を全力で愛せないかもという旨の話をした時に、彼女は教えてくれた。
「わたしは自分のこと、お気に入りくらいで良いからさ」
とか言いながら恋人の話をしてくれた。
どこだったか忘れてしまったが、その駅からほど近いそこそこ有名なカレー屋だった。
カッコ良すぎる、私はいつもわたしがサイコーになるように全力を尽くしたい、そんなふうには生きていけない。
その人がわたしがコロナになった時、酷く心配してくれた。

母性についてなど考えたことがない。
コロナになった友達を全力で援助したい、この気持ちが母性なら、私が母性を抱く人間はみんな、私が愛している人間だ。


2022/08/25
「ここのセロリは本当に癖がない。クセのある食べ物が好きなんだ、この味のうまいとこはどこなんだって探すのがさ、俺は好きなんだよ。だからこのセロリは美味しい、限りなく美味しい、だってしっかりセロリの癖がある。セロリを苦手だっていう人は、是非ここのセロリを食べてほしいね。」
最寄りの駅の翌朝3時まで営業する居酒屋の、290円のセロリで彼はしみじみしている。
癖のないセロリの癖を味わう彼をみてレモンサワーを飲んだ。

2022/08/26
憧れで恋をする。わたしの好きを因数分解したらきっと、7割くらいは憧れや羨望が占める。残りは多分、フィーリングとかわたしのことが好きかどうかとかそういうものだろう。
だから、好きなものがあると強い。
好きな人が仕事ができる人なら仕事で認めてもらえるようにたくさん頑張るし、勉強のできる人ならわたしも同じくらい勉強する。
基本的に承認欲求で生きていける。
だからたくさん恋をしたい。

2022/08/27
久しぶりに女性のカメラマンと撮影をした。
恐ろしくかわいい女の子をたくさん撮る人だった。
同じ日、かわいいアイドルやタレントの写真集もたくさんみた。でも、友達やインスタの被写体の方が可愛くないか?と思うような写真集も多くあった。
結局はブランディングなのかもしれない、質なんて、もしかしたらブランディングでいくらでも変わって見えてしまうかもしれない。
こういう知識を、うまく使えるあたまのいい人間とはあまり縁がない。

2022/08/28
フラダンスの体験に行った。
実はずっと踊れる人に憧れている。
中目はヒップホップ系の授業が人気らしく、フラはわたしを含めて2人の受講生のみだった。
踊れる人のあの美しく優美ななめらかで滑るような、品のある動気ができるようになりたくて受講したが、手の動きひとつとってもとにかく難しすぎた。
手の動きは手首から指先に波を伝えるように!と言われてもわたしの手首が固すぎる。パソコンとスマホしかいじらないのだから当然だ。
ずっと1人で練習していたら、講師のギャル姉に
「真面目な子なんだね〜w」
と笑われて(笑ってくれて)恥ずかしくってどうにかなりそうだった。
わたしはダンスも運動も今までほとんどしたことがなかった。
ハナミズキのハワイ版みたいな音楽の8フレーズくらいをやったのだが、難しすぎて気が遠くなりそうだった。わたしだけダンシングヒーローみたいな手になってしまい、ほとほと悲しかった。美しくない。
ヒップホップやバーレスクダンスのあの色気に心底憧れているが、おそらく、わたしが受講などしたら最初のリズムとりの時点で心が何回か折れてしまうだろう。悔しい、ダンスできる人、みんなかっこいい。

2022/08/29
誰でもいい人じゃ嫌だし、誰でも褒める人は嫌だよ。

2022/08/30
平日なのに朝まで飲んでしまった。
本当に今日仕事?って思うあの朝の感じは、最悪ではあるんだけど時間が経てば、エモいみたいな言葉で片付けられそうだ。有難い。

2022/08/31
苦しいほどにわたしは凡人だ、凡人だと思うところから非凡が始まる。んじゃないかと思ってしまうくらいには凡人で
人と比べるものさしなど本当は全て捨ててしまいたいのに、まだ浅ましく人間をやっている。
ほんとは天才になってしまいたい。

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