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介護業界を外から見た風景①

老人ホームを退職し、次はどんな仕事をしようと考えた。
いくつか介護事業所の見学や面接に行ったものの、なんか介護に気持ちが向かなくて他の職種にすることにした。

選んだのは調剤薬局の医療事務。
理由は今まで得た知識を使うことができること、また高齢者にも関わることができるからだ。

久しぶりにパソコンをフルで使う。1日100人程度の来局があり、ほぼ立ちっぱなしの業務。
今まで体力勝負で、歩きっぱなしだった環境が180度変わった。
初めは慣れずに「なんか嫌だなー」と思うこともあったけど、続けていくうちにいろんな角度から介護業界を見れている事に気づき、良かったなと感じている。
そうしているうちに、いつかまた介護業界に戻りたいという気持ちも戻ってきた。
だから、一度別業種に転職したことは自分にとってとても良かったと感じている。

これからは介護業界を外から見た風景を書いていきたいなと思います。

まず、やっぱり在宅のケアが足りてないんだなということを感じる。
患者さんの中には「?少し認知症かな?」とか足がかなり悪かったり、車いすの方でも1人で来局されている方がいる。
少しお話を伺うと「助けてくれる人が周りにいない」「夫婦2人とも高齢者やから…」と言われる。

認知症ぽい方は迎えの方やタクシーが来るまできちんと見守ったり、車いすの方も迎えの方のところまで送迎したりすることもある。
迎えの方が患者さんはまだいいが、1人で全部される方もいる。
自立支援と言ってしまえば聞こえがいいかもしれないが、きちんと支援を受けている人がいる一方で、何らかの理由で支援まで辿り着いてない、サービスを受けられていないのだろうと想像できる患者さんも結構いらっしゃる。

そういった方を支える在宅サービス事業所が苦しい。
そこで働く人が苦しい。だから人手不足になる。
それもあって在宅支援に手が回ってないのではないかとひしひしと感じる。

箱を作れる大きな企業を大事にするのか、在宅を支える人たちを大事にするのか。
在宅重視なのか施設重視なのか。ただ介護事業所が増えればいいという話ではない気がする。
乱立すれば、少ない介護職の取り合いで、結局どこもうまくいかなくなってしまうのではないか。

人手不足の今の時代に、今一度考える必要があるなと感じながら、日々仕事を行っています。

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