皆伝 現代文 読解05 一文同士、一文内の構造
一文同士、一文内の構造を把握できると、得点につながりやすくなります。皆伝 現代文02で書いた段落同士や段落内の構造と共通するものもあります。
よくある構造 12個あります。
①主語が2つある。
例)トーマスは短距離が得意だ。ジョゼフは長距離が得意だ。
という本文に下線部があるとき、同じことを選択肢で言っているのはどちらでしょう。
選択肢A トーマスが得意なのは短距離だ。ジョゼフが得意なのは長距離だ。
選択肢B トーマスとジョゼフが得意なのは短距離だ。
例文とAは同じ構造と気づきますね。
選択肢Bは「と」でつないでいて、構造が異なります。
例文と同じ構造の選択肢Aが正解だろうと考えることができます。
その後によく読むと、下線部ではジョゼフは長距離が得意と言っているのに、選択肢Bでは短距離を言っているので、選択肢Bは誤文とわかりますね。
②順接(逆接ではないということ)
例)川があった。そして、橋が流されている。
という本文に下線部があるとき、同じことを選択肢で言っているのはどちらでしょう。
選択肢A 水が流れていて、橋がない。
選択肢B 川が流れていたが、橋はあった。
例文「そして」と選択肢A「いて」は、順接で同じ構造と気づきますね。
選択肢Bは逆説の「が」でつないでいて、構造が異なります。
例文と同じ構造の選択肢Aが正解だろうと考えることができます。
その後によく読むと、下線部では橋が流されている≒Aは橋がないなので一致しています。だからAが正解と考えます。文を読んでも同じ内容なのか気づきにくい時のために、構造が同じかどうかを見るんです。
③逆接
例)川があったが、船はなかった。
選択肢A 川があった。しかし、船はなかった。
選択肢B 川があって、船はなかった。
構造が同じなので選択肢A(100%一致)のほうが、選択肢B (90%くらいの一致)より正解に近いですね。入試ではAを選ぶほうがいいでしょう。
④時制
例)加納はかつてサッカー部に入っていた。今は、カヌー部にいる。
過去形-現在形という構造
選択肢A 山田は以前カヌーをしていた、そして、けがをした。
過去形-過去形という構造
選択肢B 加納はボールを蹴るのが好きだったが、今はそうでもない。
過去形-現在形という構造
加納とAの山田は主語が違うから誤文と考えてもいいし、構造が違うと気付いてもいいでしょう。いくつかの解法があります。一つの設問に複数の解法で挑めると、通じない解法があっても解けるので、なるべく多くの解法を身につけましょうね。
今回はBは逆説を使っているんですけど、時制が同じと気づく訓練です。「カヌー部にいる」という肯定文で、Bは「今はそうでもない」と否定になっていることにも注意するんですけど、時制は同じだと気付きますね。今はそうでもない≒ 今は、カヌー部にいる。これはありえるので、一致率は60%くらいだと思います。
入試では、
「本文と選択肢は両方とも否定になっていて、時制は一致、接続詞は違う」、
「本文と選択肢の時制は一致、接続詞は一致、肯定は否定になっていて違う」
というような組み合わせもあるし、いろいろな組み合わせがあるんです。
基本的に、構造が近いほど正解の可能性が高いので、構造の近い選択肢から先に、精読していくと、早く正解を出せますよ。
まだまだあります。
⑥逆説
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