第53話 怪談『C君の体験』(バス・お題 『トラウマ』)
友人C君がこんな話しをしてくれました。
それは、あるテーマパークのお化け屋敷に入った時に
お化け屋敷の最後の方に、俯いたスーツを来たサラリーマン風の男性が通り過ぎて行ったとの事。
幽霊のエキストラにも見えなかった為、お客さんが何か落し物でもして探してるのかなくらいに思っていたそうです。
それからそのお化け屋敷を出たすぐの所に屋台が会った為そこで飲み物を購入し、友達と談笑していたそうです。
何気なく先程のサラリーマン風の男性が気になっていた為、お化け屋敷をずっと、話しながら見ていたそうです。
何だかんだで20分くらいは話しながらその場に居たそうですが、結局その男性はでてきませんでした。
あれは生きた人間なんだろうかと考えたら怖くなり、そのお化け屋敷には近寄らなくなったそうです。
それから、2年くらい経ったある日、またそのテーマパークに来たそうです。
余程、C君の中に引っかかる事があったのか、まだあのお化け屋敷には行きたくないと思っていたそうです。
C君自身も何がそんなに引っかかってるのかはその日まで分からなかったそうです。
一通りアトラクションを楽しんだ後に友人からお化け屋敷に入りたいと誘いがあったそうですが、頑なに断ったそうです。
それぐらいに嫌だったそうです。
帰りの電車の中で寝てしまい夢を見たそうです。
あのサラリーマンとお化け屋敷ですれ違った所が夢に現れたそうで、まるで幽体離脱をしたように、あの日の自分とサラリーマンが通り過ぎるのを見ていたそうです。
すれ違った後にそのサラリーマンが自分の方を振り返り、その目に白目がなく黒目だけ、そして、ゆっくり口を開けると
「次は逃がさないからな」
と言ったそうです。
C君言ってました。
自分のやばいと思う感じを信じて良かったと思うし、友達に進められるまま、お化け屋敷にまた入っていたらと思うとゾッとしたと言ってました。
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