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第16話 都市伝説『マイクロプラスチック』(BJ・お題「海」)

https://youtu.be/Y0Np2VbmGy8


ニーマンと名乗る男からの情報です。


「プラスチックは意図的に海に捨てられていた」


ということです。


プラスチックゴミがたしかに問題になっていて、プラスチックストローも使われなくなってきています。ただ、意図的に捨てられていた、というのはさすがに根拠のない陰謀論じゃないかな、と思いました。プラスチックというものは、人の体の中に取り込まれても無害だそうですから。だからこれはただのゴミ問題だと思っていたのですが、それが違うというのです。ニーマンによると、

「ある国が、人間に影響を与えようとしている」というのです。


今問題だと学者たちが指摘しているのは、ストローのような大きなプラスチックではなく、マイクロプラスチックと呼ばれる小さなプラスチック片です。

マイクロプラスチックには、別の化学物質がくっついて、それがいっしょに生物の中に取り込まれる、というのです。


プラスチックが海流に乗ってどこにたどり着くのかについて、ある国が実験していて、そのデータをウルトラコンピューター、NAYUTAと呼ばれるもので解析しているそうです。この研究が進めば、好きな場所に、マイクロプラスチックに吸着させた環境ホルモンを送りこむことができるかもしれません。ある機密文書にはこんなことが載っていました。


『バタフライ作戦報告(13)』

実験計画

1000キロメートルの射程で、海岸(1単位100キロメートル)に到達するマイクロプラスチックを、排出量の0.6%にまで上げることに成功した。
ただし、人体への影響をもたらすためには、環境ホルモンGの場合、120ppmを特定の海岸に到達させる必要があり、そのためのプラスチックの総排出量が莫大となることから、現時点ではまだこの方法は実用的なものとはなってはいない。
今後の実験については、もうしばらく日本を対照にイギリスを標的とし、その内容を時期を変えて交代する。
現時点で計画に滞りはないのもの、最終計画を確実にするためにもうしばらく慎重にその効果を検討する必要がある。
いっぽうで、実験過程において、計画の変更は柔軟に行い、あらゆる可能性を検討していく。

実験遂行上の諸注意

極秘に計画を進めることはこれまでと同様である。
対策部は、あらゆる想定外の事態に備えること。
外部になんらかの情報が漏れた際には、それを偽装する釈明をあらかじめ用意し
整合性が取れるように、事前に配慮しておくこと。


詳細まではわかりませんが、かなり陰謀めいています。


ところで、異食症という言葉があります。

食べ物の好みが、正常なものとは異なるものになってしまうことです。

生米を食べたくなったり、やたらと酸っぱいものを好むというようなものですね。

代謝疾患や遺伝疾患などでなることがあります。


「この環境ホルモンは人を異食症にするということまでは明らかになったんだ。それがどうやら・・」


ニーマンによると、マイクロプラスチックに乗った環境ホルモンは人体に影響を与え、異食症を起こすようです。では何を食べたくなってしまうのでしょう?ニーマンは、よくわからないが、と前置きをし、「タコという記述があったので、タコかもしれない」と言いました。

私は拍子抜けしました。タコなら日本人はよく食べます。海外では悪魔の動物といって敬遠されますから、その売り上げでも上げようというのでしょうか。国際的な陰謀といっても大したことはなさそうです。ニーマンが直接調べられたことはこれまでです。

ただ、もう少し知りたかったので、私は粘ってニーマンはの考えを聞いてみました。「この実験をやっているのは中国なんですか?日本に漂流するプラスチックは中国のものだと言われているし、那由多という言葉も、中国のものでは?」

するとニーマンは笑って言いました。「中国がやるんなら、海を使う必要はないんだよ。黄砂があるじゃないか。あの国は日本をいつでも骨抜きにすることができる自信があるから、そんなことはする必要はないんだよ」と。「だからその実験をしているY国は、海のない国だ、ってことは想像できるんじゃない?」と。あと、「日本はあくまで実験で、最終目標はアメリカだろうね」とも言っていました。


その後私は、異食症について調べてみました。ですが、国内で、異食症が増えた、という報告はありませんでした。ついでにタコやたこ焼きの消費量も調べました。なんと上がっていました!と思ったら、値段だけでした。消費量は変わりないどころかむしろ減っていました。ニーマンのファイルに嘘があるか、真実であってもまだ実験は成功していないということでしょうか。。

まだ続きがありまして。ある小児科医が集まる学会の席で、日本海側のとある町で開業されている先生が、最近妙に皮膚を自傷する子供が増えているような気がするけれど、僕の周辺だけかなあ、と言っていました。詳しく聞きますと、自咬、つまりかさぶたや、逆剥け、さらには唇や手を噛んでしまう子供が増えたような気がするんだよなあ。そう小児科の先生はぼやくのです。残念ながら個人的な印象であって、疫学調査のデータや論文の発表等はありませんから、断言できません。

でも、異食症と言っていたのが、「自食」つまり自分の体を食べてしまうといった類の異食症だと考えると、ニーマンの報告と辻褄は合ってしまいます。


わたしは気づきました。タコって、そういえ自分の足を食べるよなあ、と。

皆さんはこの話、どう思いますか?

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