偽お婆ちゃんと、中指を立てる私
祖母が亡くなって、初めてのお墓参りだった。
実家はど田舎にあるため、東京から戻っても誰かに迎えに来てもらわないとお葬式には行けない。
誰も迎えに行けず、私はお葬式には行けなかった。
小さい頃から、可愛がってくれたお婆ちゃんで
私が原宿系の奇抜な服を着ても、髪を緑やピンクに染めても
全部可愛い、似合ってるって言ってくれるお婆ちゃんだった。
私は幽霊や不思議な話は大好きだが、幽霊はいないと思っている。
「幽霊がいたら楽しいだろうな」くらいにしか考えてない。
スピリチュアルや占いは苦手だ。
でも、今だけ幽霊でもいいからお婆ちゃん会いたかった。
この世に本当に、幽霊がいるのなら、今までの経験が霊感というのであれば
何でもいいけど、お婆ちゃんに会いたかった。
お墓から立ち去る時、頭の中で強く願った
「お婆ちゃんに会いたい。幽霊でいいから出てきて欲しい」
目の端に、何かが見えた。
私のいる場所から、斜め向かいのお墓の上に
丸い何かが浮遊している。
お婆ちゃんだと思った。
可愛い孫のために会いにきてくれた!
やったーーーー!
お婆ちゃんの方に顔を向け、しっかり顔を見た。
他人だった。
え。。。。。?ってなった。
そしたら、そいつも「え。。。。?」って顔してた。
誰かの墓の上に、顔だけが浮いていた。
顔は、亡くなって腐った姿なのか茶色?黄色?のような色で
パンパンに腫れ上がっていた。
髪の毛は白髪で、かろうじて老人ということが分かる。
マジで、めっちゃムカついた。
今じゃないじゃん、出てくるタイミング。
「え。。。。?」じゃないですよ。
こっちも、え。。。。だわ。
ムカつきすぎて、既に死んでるのに
中指をそいつに向けて、睨みながら車に乗った。
2回死ねと思った。
会いたい人には、簡単に会えないんだと学びました。
以上が、墓の偽お婆ちゃんおお話です。