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傷つけば傷つくほど心地良くなっていくこと

傷ついた分だけ、独りの時間が心地良い。

年々、漫画を描く時間の心地良さが増していってる。漫画は中学生の頃から好きで描いているが、当時は描くことに心地良さを覚えたことはなかった。ここ最近は、描いている時間が妙に落ち着く。

ぼくはいわゆる社不というやつなのだろう。人間が怖い。誰かと関わると、迷惑をかけてしまう可能性があるからだ。決してできる方ではない。むしろできない側だ。基本的に全ての能力が低いのだ。先日も仕事で人様に大迷惑をかけて、自分をひどく責めていた。

ぼくは生きる資格なんてない。

そんな体験を経れば経るほど、漫画を描く時間が心地良くなっていくのだ。

自分の漫画を描いている時間は、誰にも迷惑をかけることはない。自分の漫画制作を人様に責められることはない。文句をつけられることも、怒られることも、傷つけてしまうこともない。自分だけで完結できる。だから、独りで描いている時間が心地いい。

現実世界で傷つけば傷つくほど、そんな氣持ちが強まっていく。

ぼくには漫画しかない。

何年か前、同じ言葉を友人がこぼしていた。彼もおそらく社不というやつ。恐ろしいほど絵の上手い友人だ。当時のぼくは今ほど傷ついていなかったから、彼の言葉にあまりピンときていなかったけど、それを思うとこの数年でいろいろあったものだ。今なら当時の彼の氣持ちがよくわかる。人間は怖い。

社会で人と関わらずに生きていくことは不可能で、人との関わりの中で問題を起こさないこともまた不可能。未熟で愚かな自分の居場所は、おそらくどこにもない。

けれど幸いなことに、ぼくには漫画がある。周りからはいろいろ言われてきたが、描くことをやめずに本当によかった。今は自分の漫画に救われている。誰になんと言われようと、これはもう手放せない。描くことが唯一の心の救いなのだから。

騒がしい日常の中に、描く時間が少しでもあれば、明日もなんとか生きていける。

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