【廃園を活用した醤油作り】全て手作り、原材料のSDGs調達実現!
今回は、弊社の生業である醤油事業について記載します。
文献を見ると、150年歴史のある日本酒事業よりも前に初めていた記録があるため、150年以上は続いていると言うことしか事実はわかりません。
(こちらが旧醤油蔵です。)
数馬酒造の醤油事業は、実は歴史上2度ほど、辞めようとされていた事業です。これを表に出すのは初めてです。
最初に辞めようとしたのは、僕の祖父にあたる数馬酒造の3代目です。
日本酒造りに専念しようと、そのような決断をしようとしていたところ、2代目(曾祖父)から「日本酒と醤油は、いずれも日本文化に欠かせないものだ。」と続けるよう説得されたそうです。
あの怖い祖父を従わせたとは、曾祖父はどのような人だったのだろうか・・・。
そして、2回目に辞めようとしたのは、5代目です。
そうです。僕です。
祖父と同じように、経営資源を日本酒造りに集中させようと、醤油作りを辞めようとしていました。
お客様に醤油製品の廃盤の文章まで作っていました。
そんな僕が、もう一度醤油事業を行おうと思った経緯は、下記のとおりです。
前述した【水田作りからの酒造り】地域に貢献するSDGsを取り入れた酒造り体制にも記載させて頂いたとおり弊社はゆめうらら様と連携し、耕作放棄地を活用してお米の栽培を行なっています。
そして、いよいよお米作りに適さない土地と出会ったのです。
そこで、ゆめうらら様の裏社長から、「水田としてではなく、畑として活用しよう。そして、ここで醤油の原材料となる小麦と大豆を栽培するわ。」と提案がありました。
「・・・。実は醤油辞めようと思ってまして。」と言っても
「もう一回やればいいやん!」とのこと。
社内で相談したところ、社員さんたちも「もう一回やりましょう!」と前向きな意見でした!
弊社の醸造責任者は、実は入社後醤油作りも行なっていたため、醤油の製造を続けることは技術的にも可能ではありました。
この時期あたりに「きっと醤油事業は、今後弊社にとって必要な事業になる!」とピンと来たので続けることにしました!
そして、思い切って醤油蔵を移転して、リニューアルすることにしました。
新しい蔵を建てる場所を探し回ると同時に、経営理念やSDGs目標に立ち返り、「新しい蔵を建てるより、能登にある有休資産の最価値化の方が数馬酒造の経営らしい!」との結論に至りました。
そこで、蔵を建てる場所探しから一変し、使われていない施設探しに切り替えたところ10年前に廃園になった保育所に出会いました。
醸造責任者と見に言ったところ、部屋数も機能も動線も醤油作りに適していそうだ。との結論に至りました。
給食室は、大豆蒸す場所に。蒸気や水道の配管があり、床も水捌けの良い床だったのでピッタリな場所です。
年少さんのお部屋は、麦煎り室に。トイレが防火壁になっていたのも好都合。
年中・年長さんの部屋は、熟成室。この部屋の床だけワイヤーを入れ強度を上げました。
職員室は製麴室に。ボイラー室は、そのままボイラー室・・・。
プレイルームは、床を改修し、仕込みや圧搾を行う部屋です。
耕作放棄地を活用したゆめうらら様が栽培する能登産の小麦・大豆。
そして、食塩水は株式会社Ante様に特別に弊社用の塩分濃度のかん水を製成頂いており、醤油の原材料として使用させて頂いております。
Ante様も、SDGsに取り組まれていて、環境負荷に考慮した塩づくりを行なっていらっしゃいますので、ご紹介します。
(以下、文章は、Ante様ホームページより)
①森を守る
釜炊きを行う際に使う薪は、能登の里山から切り出される間伐材のみを使用しています。
間伐材を率先して使うことで、山の整備に貢献し、森を守る一翼を担っています。そして、化石燃料や廃材を燃料として一切使わないことで大気汚染にも配慮し、実質地球上のCO2濃度を増やさないという「カーボンニュートラル」の考え方に沿った取り組みにも着手しています。
②海を守る
世界中で問題になっている「マイクロプラスチック」による海洋汚染に真摯に取り組み、海水を汲み上げる際にあらゆる固形物を特殊なフィルターで除去しています。そして、定期的に海岸清掃も行い、ゴミを少しでも減らしていく取り組みを行っています。
また、塩田からでる生活排水(トイレ・シンク)の設備は、汲み取り式を採用しており、汚水が一切海に流れ出さないようにしています。
※石川県能登半島だけで受け継がれている「揚げ浜式」と呼ばれるこの製塩法によって生成される塩水です。
共にSDGsに取り組むゆめうらら様の小麦・大豆
Ante様のかん水
原材料のSDGs調達が実現しました!
能登産の原材料にこだわり、能登ならではのすべて手作りの醤油を皆様にお届けいたします!