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【水田作りからの酒造り】地域に貢献するSDGsを取り入れた酒造り体制

弊社のメイン事業である日本酒の製造。
本日は、どのような想いを持って酒造りをさせて頂いているかを書きたいと思います。

日本酒は、お米と水を主な原材料として造られます。
現在多くの酒蔵さんが、お米作りにこだわり、さまざまな生産体制や農家さんとのパートナーシップを築かれております。

数馬酒造は、「土地づくり・地域づくりから全ては始まる」というのが、根本な考え方で、その考えに基づいた取り組みを行なっています。
具体的に、どのようかことを行なっているかをご紹介していきます。


 <お酒の消費が、地域貢献に直結する>
経営を引き継いでからずっと「お酒を飲んで頂ければ飲んで頂くほど、能登に貢献できる」ような仕組みはないかと考えていました。

能登に生まれ、酒蔵の息子として育ったという事実が「僕に何を求めているか?」を自問した一つの答えは、「単に地域のお米を使うだけではなく、経営活動そのものを、もっと地域に貢献できる活動にすること。」です。

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このような想いから2014年、パートナー農家である株式会社ゆめうらら様と連携し、世界農業遺産に認定された「能登」の里山里海の景観の維持に貢献できればと、能登の耕作放棄地を活用した米作りを始めました。

ゆめうらら様の裏社長は、僕に「SDGsって知ってる?」と
SDGsの存在を教えてくださった方です。
そして、高校の同級生です。
高校時代は、まさか一緒に仕事をすることになるとは思いもしませんでした。


われわれが、パートナーシップを組んで取り組んでいることは、「耕作放棄地を地主さんからお借りして、開墾し、水田に復活させて、そこでお米を育て、お酒を醸す。」というもの。

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つまり、お酒が飲まれれば飲まれるほど、よりお米が必要になり、どんどん能登の耕作放棄地が減っていくという取り組みです。


農作業


ゆめうらら様の水田は、「水田環境特A地区」にも認定されております。


  2017年には、多くの方のご協力のもと、一つの集落の耕作放棄地がゼロになり、今までで東京ドーム約5個分の耕作放棄地の削減に成功しました。


 このようなわれわれの取り組みに共感してくださり、土地を預けてくださる地主さんの数は120人を越えました。

能登会場Nプロ

(地主さんを交えてのイベントの様子)


<耕作放棄地を活用することのメリット・デメリット>

耕作放棄地を活用したお米づくりは、もちろん簡単なものではございません。ゆめうらら様の全面的なご協力があってこそ実現できた取り組みです。
実際この取り組みは、ゆめうらら様主体での取り組みといっても過言ではありません。

実際に裏社長にメリット・デメリットをインタビューさせて頂き、まとめてみました!



耕作放棄地活用のメリット
①能登の景観の維持に貢献できることが最大のメリット
世界農業遺産に日本で初めて認定された「能登」の里山の風景の維持に貢献できることが最大のメリットです。栽培面積を増やす際に、既存の農家さんと競合せずに面積を増やすことが可能なこともメリットの一つです。


②地主さんをはじめ、地域の方々からの信頼の向上
人の嫌がる土地の開墾をひたすらやって来たため、地主さんや地域の方々からの信頼度が増したと思います。

ゆめうらら様に農地を託される方は年々増えております。
自分の財産である土地を、託してくださる方が増えているのは、まさしく今までの行動によって蓄積されたゆめうらら様への信頼があるからだと思います。




耕作放棄地活用のデメリット
①何といっても人手がいる
 耕作放棄される土地というのは、言い換えると栽培しにくい土地でもあります。不利な条件の土地から放棄されていく可能性が高いということは、皆様のご想像の通りです。

ぬかるみが深かったり、形がいびつな田んぼだったり、ジャングルのように雑草が生い茂っている土地も珍しくありません。
このような田んぼは、得てして、重機の使用が困難です。どうしても人手を駆使して行う作業が必要になってきます。


<デメリット解決法>
われわれは、地域の大学生や弊社のお取引先様の力を借りることにしました。有り難いことに想いに共感してくださる企業様は県内外問わずいらっしゃり、大学生・酒販店様・飲食店様・百貨店様と徐々に多くの方が、毎年能登にお越しくださり、一緒になって農作業をしてくださいます。
人手が必要になったことで、様々な方々と出会うことができました。

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(実際に耕作放棄地を開墾している様子)
毎年のべ100名程の方々が、能登に訪れてくださいます。



②通常と違う条件でのお米づくり
この取り組みを行うには、繰り返しになりますが、農家さんの全面的な協力が必要です。農家さんあってこそ、この仕組みは成り立ちます。
水田に戻した土地でお米を栽培して頂くため、ゆめうらら様には多大なるご協力とご尽力を頂いております。

肥料メーカーに土壌分析をして頂いたり、肥料を毎年調整頂いたりと通常よりも農家さんの負担が大きいです。
普段は、必要のない重機を入れる際の費用もかかってきます。


<デメリット解決法>
今でこそ、ゆめうらら様が自社で重機を保有されているため、デメリット要素は低くなりましたが、当時は、クラウドファンディングで資金を集めたこともありました。

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何よりも大きかったのは、ゆめうらら様の裏社長が、同じように能登を想い、前向きに取り組んでくださったからこそ続けてこれたので、裏社長に出会ったことこそが、このデメリットを解決してくれたと痛感しております。

決して、弊社だけではこのような取り組みは出来ませんでしたし、ましてや続けてこれませんでした。

ゆめうらら様をはじめ、大変多くの方々のご協力のおかげで
続けることが出来ております。


この後のnoteで、順次記載していこうと思いますが、この取り組みから多くの展開やコラボが生まれました!

数馬酒造の基礎となる「水田作りからの酒造り」

SDGsを取り入れた酒造りは、とても多くの仲間と新しい機会を僕たちにもたらしてくれました。

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数馬嘉一郎|5代目 蔵元
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